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<基準地価>変わらぬ「仙台独り勝ち」、沿岸被災地は下落幅広がる

 【解説】国土交通省が18日発表した東北の基準地価は下落基調が緩やかになり、近郊都市を含めた仙台都市圏の上昇が際立った。東日本大震災の被害を受けた沿岸部は下落幅が拡大し、地域再生に苦戦する被災地の姿が浮かび上がる。
 震災以降、仙台市は復興拠点として人口増加や企業進出が加速した。市中心部の不動産取引は活発で、市地下鉄東西線沿線を軸とした住宅需要も引き続き堅調だ。
 「仙台独り勝ち」の状況は変わらないが、首都圏から仙台に向かった投資マネーが他都市に目を向ける動きも出ている。国交省地価調査課の担当者は「少しだが盛岡市や山形市、福島市への流入がある」と話す。
 全国的には低金利や企業業績改善が需要を下支えし、三大都市圏以外の地方圏でも住宅地や商業地の下落幅縮小が続く。ただ、東北をはじめとする地方では都市部と郡部の二極化がさらに顕著になっている。
 宮城県では住宅地、商業地とも下落地点が前年より増え、仙台圏と他地域の格差が拡大。移転需要が落ち着いた沿岸被災地では、石巻市や亘理町で住宅地の下落幅が広がった。
 国の「復興・創生期間」は2020年度で終わるものの、被災者の生活再建や経済再生は途上にある。公共事業への依存から脱却し、産業基盤の構築を目指すことは地方共通の課題だ。住みたい町、働きたい町をどう創出するか。地域の魅力を高める官民の持続的な取り組みが重みを増す。
(東京支社・片山佐和子)


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2018年09月19日水曜日


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