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津波被災の島に初の野菜生産者グループ 「鹽とうがらし」特産に 宮城・塩釜

鹽とうがらしの出来をチェックし、袋詰めをする組合員
さぶさわ野菜生産組合が育てて収穫した「鹽とうがらし」

 東日本大震災の津波で被災した宮城県塩釜市の寒風沢(さぶさわ)島に浦戸諸島で初めての生産者グループ「さぶさわ野菜生産者組合」が誕生し、栽培作物の第1弾としてトウガラシを発売した。組合員は「鹽(しお)とうがらし」と名付けて特産化を図り、自然豊かな島での栽培拡大に意欲を見せている。
 生産者組合は7月末、30〜80代の住民15人が結成した。呼び掛け人で、島に移住してタマネギ栽培に取り組む農家加藤信助さん(36)が代表に就いた。
 島に就農者は少ないが、自家用に野菜を育てる住民は多い。収穫が予想を超えることもあるため、島外で販売すれば島の野菜のPRになり、住民のやりがいにつながると考えたという。
 結成に先立ち、組合員は各自の畑でトウガラシの苗140本を植え、専門家の栽培指導を受けた。津波被害から復旧した畑も活用している。
 8月下旬から長さ10〜15センチ程度に育った実を順次収穫。1袋4〜5本入りの鹽とうがらしを6日に発売した。商品名は潮風に吹かれてミネラルを含むことにちなみ、輪切りにして料理に使うのがお勧めという。
 組合がトウガラシを選んだのは、栽培が難しくない上、軽量で保存が利き、一定の販売単価が見込めるため。塩釜市営汽船で島外に運ぶ手間や料金を考え、手荷物で運べる範囲とした。
 加藤さんのタマネギ栽培を支援した塩釜市水産振興課の奥野満也さん(64)も作物選びなどで助言した。奥野さんは兵庫県南あわじ市を定年退職後に同県臨時職員となり、塩釜市に応援派遣されている。
 商品作物を初めて手掛けた組合員たちは「育てるのは簡単だった」「来年はもっと栽培したい」と意欲的で、「売れるなら他の野菜も作ろうか」との声も上がる。
 加藤さんは「島育ち野菜のブランドを知ってほしい。寒風沢には魅力があり、高齢化する島に新規就農者を呼び込むきっかけになればいい」と話す。
 1袋200円。塩釜市魚市場内「塩釜 海の駅」など市内3カ所で販売する。連絡先は市水産振興課022(364)2222。


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2018年09月20日木曜日


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