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<重要物流道路制度>山形で高まる期待 遅れた道路整備、一気に加速狙う

今年7月、当時の津田修一東北地方整備局長(左から3人目)に国道48号の重要物流道路指定を要望した(左から)土田市長、郡市長、山本市長(東根市提供)

 国が創設した重要物流道路制度への期待が、山形県で急速に高まっている。県内の高規格幹線道路の供用率は東北最低の67%。本来は大型コンテナ車にも対応できる道路環境を整え、災害時を含めた安定輸送を確保する狙いだが、自治体や議会内には立ち遅れた道路整備を一気に加速させる好機との見方が広がる。路線指定に向けて動きだした関係者の思惑を探った。(山形総局・吉川ルノ)

<足並みそろわず>
 「仙台とつながる国道48号の高速化が不可欠。重要物流道路指定で県境付近のバイパス整備に道筋を付ける」。8月の東根市長選で6選を果たした土田正剛市長が掲げた重点公約は、新設制度による仙山圏の横軸強化だった。
 国道48号は、地形的な制約から県境付近の11.6キロで一定以上の連続雨量があると通行止めになる。2014年2月と15年1月には複数箇所で雪崩が同時発生して寸断されるなど、災害への弱さがあらわとなり、近年、改良を求める声が高まっている。
 しかし、これまで東日本大震災の復興事業や現道改良を重視する宮城県側とは足並みがそろわず、目立った進展はなかった。2度目の雪崩直後に行われた国への要望活動では、吉村美栄子山形県知事に加え、土田市長、山本信治天童市長が顔をそろえたのに対し、宮城県知事や仙台市長の姿はなく、両県の温度差が浮き彫りになった。
 こうした状況を打開するために東根市が着目したのが重要物流道路。指定されれば、総重量40トン級の国際海上コンテナ車に対応できる道路環境が整備されるため、結果的に雨量による規制も解消され、「一気に改良が実現する」(東根市建設課)との胸算用だ。
 7月には土田市長が郡和子仙台市長に働き掛け、山本市長とともに東北地方整備局に指定を要望した。

<路線検討始める>
 東根市に触発される形で県議会自民党会派や県も指定に向け動きだした。
 自民党県議20人は8月22日に整備局を訪問し、県内の主要な幹線道路全線を重要物流道路として指定するよう要望。県議の一人は「指定されれば、これまでいくら要望してもかなわなかった道路の整備にお墨付きが得られる」ともくろむ。
 来春の県議選に向け、格好のアピール材料になることも、要望に熱が入る一因のようだ。
 また県は8月27日、国や東日本高速道路など関係者とつくる県幹線道路協議会の会合で、指定候補とする路線の検討作業を開始。やはり「指定で整備促進に弾みがつく」(道路整備課)と期待している。

[重要物流道路]今年3月に成立した改正道路法に基づき、国土交通省が既存の国道や自動車専用道などのうち、物流上重要な輸送網として指定。指定を受けると、従来は通行許可が必要だった国際海上コンテナ車が走れるよう、橋の補強やカーブの緩和などの改修が進められ、許可が不要となる。都道府県管理区間などが被災した場合、災害の規模や種類を問わず、復旧工事を国が代行する制度も活用できる。


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2018年09月20日木曜日


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