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<にゃんとワンポイント・実践編>犬が誰かをかんだら 速やかに応急処置を

犬にかまれないための用心や、もしもの場合の対処法を記した仙台市作製のちらし。市内の動物病院などで配布している

 犬が他人をかんでけがをさせてしまった場合、どうしたらよいのでしょう。動物愛護法第7条は(1)動物が人の身体や財産に害を加え、迷惑を及ぼさないようにする(2)逃げないよう必要な措置を講ずる−と飼い主の義務を規定しています。
 措置の具体例は地方自治体の条例で定められています。宮城県では、散歩中のリード装着や、自宅前を通る人、訪問客を襲わないよう、犬の居場所などを工夫するように注意を促しています。
 十分気を付けていたのにかんでしまった。その場合は何よりまず、けが人への対処が大事です。応急処置を行い、必要があれば病院を受診してもらいます。
 咬傷(こうしょう)事故の届け出もしなければなりません。3日以内に地域の動物管理センターや保健所に連絡します。届け出の日から20日以内に狂犬病に関わる診断書の提出義務があり、動物病院で発行してもらうよう説明があるでしょう。
 民法第718条には、動物の占有者は、その動物が他人に与えた損害の賠償をしなければならない、とあります。飼い主は相手のけがの治療費や通院のための交通費、壊れた物品などについても賠償責任を負います。連絡先を伝え、警察に現場検証してもらうこともあるかもしれません。誠意をもって対応しましょう。
 さて、犬にかまれたときの応急処置を説明します。速やかに行うと、大事に至らず済む場合があります。皮膚が破けなかったら、ほとんどの場合は打撲です。かなり強い力が加わると骨折することもあります。
 皮膚が破けて歯が食い込んだときは細菌感染の対処をします。水で傷を洗い流し、少し痛いですが可能であれば、血を絞り出すように周囲から傷へ向かって圧迫すると、口腔(こうくう)細菌を含んだ血液が排出されます。
 この処置をせずに傷をふさいでしまうと、腫れ、痛み、熱が出てきます。こうなると抗生剤が必要になります。出血の多い場合は、止血を行い救急車を呼んでください。
 犬を悪者にしないために、飼い主の日頃の心配り、万が一の時の誠実な対応が大切です。また、むやみに他人が所有する犬に近づかないことも、被害を受けないために大切なことです。
(獣医師 後藤千尋)


2018年09月21日金曜日


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