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カヌー「希望の架け橋号」楢葉で進水 秋田に避難した福島の被災者が製作 完成から5年で念願の古里へ

倉庫に保管されていた「希望の架け橋号」を見詰める中村さん

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を機に秋田県で避難生活を送っていた福島県の被災者が2013年に作ったカヌーが11月、同県楢葉町の交流イベントで披露される。「古里と秋田をつなぐ存在となってほしい」との思いを込めたカヌー。完成から5年がたち、被災した福島では初めての進水となり、関係者は「やっと思いが実る日が来た」と心待ちにする。
 カヌーの名は「希望の架け橋号」。カヌー愛好家らでつくり、震災後は気仙沼市などで支援活動に取り組むNPO法人秋田パドラーズ(秋田市)が「秋田で暮らす福島の人々の思い出づくりになれば」と製作を呼び掛けた。
 避難生活を送る親子ら約30人が参加し、約3カ月かけて完成させた。長さ約4.8メートル、幅最大約0.8メートルの3人乗り。秋田杉を使い、液体ウレタンで防水加工を施した。
 船体が劣化しないよう、希望の架け橋号は秋田市で数回使われただけで倉庫に保管されたままだった。時が流れ、今は福島県に戻った避難者もいる。
 17年9月にあった秋田の震災支援関係者の意見交換会で、カヌーを活用した復興支援イベントの企画が提案された。楢葉町での開催案が持ち上がり、楢葉の関係者の賛同を得て実現することになった。
 町復興推進課の担当者は「カヌーはなかなか触れる機会がなく、町民にとっても楽しめる機会になるはず。震災で生まれた縁を大切にしたい」と感謝する。
 交流会は11月4日に町内の木戸ダムである。カヌー乗り体験や秋田民謡の披露のほか、秋田の郷土料理きりたんぽなどが振る舞われる。
 秋田パドラーズ理事の中村昭三さん(74)は「震災から7年半が過ぎて被災地の現状に触れる機会は少ない。秋田と福島の人たちが交流を深めることで、少しでも笑顔が生まれれば」と話す。
 秋田からバスで楢葉に向かい交流会に加わる一般参加者を数人募っている。宿泊費や食費は自己負担となる。連絡先は交流会を共催するNPO法人あきたパートナーシップ018(829)5801。


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2018年09月21日金曜日


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