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江尻排水機場補修へ前進 水害対策 高まる期待 農水省、来年度概算要求に盛る

ポンプが老朽化し、早急な補修が望まれる江尻排水機場

 県内一の排水規模を誇る角田市の江尻排水機場の補修事業が今夏、農林水産省の2019年度概算要求に盛り込まれた。農地だけでなく市街地の水害の備えにも重要な施設で、稼働から26年たつ施設の補修は待ったなしだ。市や関係団体は「来年度着工の見通しが立ってきた」と期待する。
 排水機場は、阿武隈川の増水時に水門を閉めて逆流を防ぎ、二つの支流の水を排水する施設。ポンプ4基の排水量は毎秒62立方メートル。1992年稼働で、ポンプが一部さびるなど劣化し、除塵(じん)機が破損している。電気設備の故障で、ポンプが緊急停止したこともある。
 市と「あぶくま川水系角田地区土地改良区」は今年5月、ポンプの補修や除塵機の更新、建物の耐震化を国に申請した。総事業費約59億円で26年度までの工期を予定する。
 地元負担は市が約5億円、農家は約5200万円が見込まれる。農家負担については、治水の観点なども考慮し、通常より低く設定されている。
 建設当時、要望活動に奔走した元土地改良区役員の佐藤武敏さん(80)は「旧建設省の事業は地元負担がなかったが対象面積が狭く、早急な実現は難しかった。当時の故三文字正次市長が、補助を受けやすい農水省の事業を選んだ」と説明。農家負担が最終的に全体事業費の1.6%に抑えられたという。
 一連の経緯から今回の補修も農家負担は1%未満。5%が目安とされるかんがい排水事業では異例だ。
 後継者不足で、土地改良区の組合員は4半世紀で約5300人から100人減った。亀谷久雄理事長は「今後の施設の維持管理は大変だが、本格的な補修は初めてで期待している。市民に広く施設の大切さを理解してほしい」と要望。大友喜助市長は「市街地への影響が重大な施設。インフラの老朽化は大きな問題で、行財政改革を徹底しながら、やりくりしていくしかない」と話している。


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2018年09月22日土曜日


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