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秋田の工芸品「角館の樺細工」新商品に活路 低落傾向に危機感

樺細工の新ブランド「KAVERS」のブローチ

 秋田県を代表する工芸品「角館の樺(かば)細工」(仙北市)の関係者が、伝統の味わいを生かしたアクセサリーなどの新商品に活路を探っている。背景には売り上げが減り、材料となるヤマザクラの樹皮の入手も難しくなりつつあるという現状がある。低落傾向に歯止めをかけようと、秘められた魅力を引き出す努力を続ける。
 仙北市の樺細工製造「冨岡商店」は今月上旬、新ブランド「KAVERS(カヴァーズ)」を東京の展示会で発表した。
 第1弾は3000〜8500円のブローチ。秋田市のデザイン会社と提携し、日本の伝統的な色や意匠を取り入れて仕上げた。樹皮を磨き上げて光沢を出した樺細工に、模様を彫ってカラフルに彩色した。
 若草や常盤(ときわ)緑といった色、市松や唐草などの模様を組み合わせた22パターンを用意。アクセサリーに加え、タイルやスマートフォンカバーの製品化も検討している。
 冨岡浩樹社長は「樺細工は茶色で地味な印象がどうしても強かった。今回の展示会では目を留めてもらえるデザインを提案できた」と胸を張る。
 角館工芸協同組合(仙北市)によると、樺細工の2017年度の売上高は約6億5000万円。30年前の約4割の水準にとどまる。
 昭和の時代、樺細工の茶筒は多くの家庭で見られた。生活様式の変化もあって近年需要が鈍る一方、新たな商品開発はあまり進んでいなかった。30年前に約300人だった従事者は90人程度に減少している。
 ヤマザクラの樹皮は7月中旬から9月上旬の乾燥した日に幹から剥がす必要がある。採取する職人が足りず、入手できる量が限られるようになったという問題にも直面する。
 冨岡社長は「伝統技術に繊細なパターンを組み合わせ、ファッションなどの分野に進出していきたい」と展望を描く。

[角館の樺細工]江戸中期に秋田の阿仁地方の樹皮工芸が角館に伝わったとされる。秋田藩士が内職として印籠、刻みたばこなどを入れる胴乱の製作を手掛けた。茶筒が代表的な製品でテーブルや文箱、ブローチ、タイピンなども生産している。1976年に国の伝統的工芸品に指定された。


関連ページ: 秋田 経済

2018年09月22日土曜日


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