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<この人このまち>庄内の仕事 生徒に紹介

菅亮太(すげ・りょうた)1981年鶴岡市生まれ。鶴岡南高中退。市内の美容室で11年間修業した後、2008年に同市で美容室「Peace」を開業。他に鶴岡、酒田両市で移動美容室とヘアカラー専門店2店舗を経営する。13年に地元の起業家仲間2人と「あきんどなまか」を始めた。

 山形県庄内地方の15〜39歳人口は2015年から30年間で半減する。高校や大学を卒業後、地元で就職しない人の割合が高止まりするのが要因の一つだ。庄内で中高生対象の職業体験イベントを開いている鶴岡市の一般社団法人「あきんどなまか」の菅亮太代表(37)は「そもそも若者は地元でどんな仕事ができるかを知らない」と指摘する。(酒田支局・菊間深哉)

◎一般社団法人「あきんどなまか」代表 菅亮太さん(37)/地元を離れると決める前に、向き不向きを知ってほしい

 −あきんどなまかの活動内容は。
 「2013年から職業体験イベント『WAKU WAKU WORK』を高校1年や中学2年を対象に開催しています。これまで庄内地方6校で計25回の実績があります」
 「旅館や写真館、建設会社、自動車整備などさまざまな職種の10〜30社がブースを構え、生徒はそれぞれの仕事を実体験します。生徒をどの会社に振り分けるかは無作為で、1こま50分の体験を2回実施します」

 −生徒の希望通りに割り振らないのはなぜですか。
 「多くの高校生は親や親戚の仕事ぐらいしか知りません。自分自身も高校を中退した後、働かせてもらったのは客として通っていた美容室でした。生徒には未知の仕事に出合ってもらいたいと思っています」
 「結果として、その仕事に『絶対嫌』という印象を持ってもいい。高校2年でインターンシップが始まったり、地元を離れると決めたりする前に向き不向きを知ってもらいたいです」

 −本業は美容室などの経営ですね。
 「若者相手の商売をしていると、地域から若者がどんどんいなくなっているのが分かります。若者の流出を止める努力をせずに、自分だけもうかればいいという姿勢では、やがてみんな共倒れになります」
 「地域はいわば畑。野菜の採れる土壌をみんなで大切に育まなければ、将来は誰も収穫できなくなってしまいます」

 −今後の活動は。
 「始めたきっかけは『誰かがやらなくては』という使命感でしたが、こんなに続くとは思っていませんでした。この活動だけで状況は変わらないだろうし、問題提起の一つと思っています。活動のノウハウを提供していて、県内各地で同様のイベントが広がっています」
 「この地で生きる人が不幸せとは思いません。ここの良さがあるし、できることがあります。それを知った上で職業や進学先を選んでほしい。地元に悪い印象を持たなければ、一度離れても戻ってきてくれるはずです」


関連ページ: 山形 社会

2018年09月24日月曜日


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