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<仙台・警官刺殺>発生1週間 容疑者死亡、動機解明に壁 捜査幹部「長期戦を覚悟」

警察官による警備が続く東仙台交番。今もブルーシートに覆われている=25日午後3時15分ごろ(写真の一部を加工しています)

 仙台市宮城野区の仙台東署東仙台交番で清野裕彰警部補(33)=巡査長から2階級特進=が刺殺された事件は26日、発生から1週間となる。動機の解明が最大の焦点だが、東北学院大3年相沢悠太容疑者(21)=仙台市宮城野区新田2丁目=は別の警察官の銃撃で死亡した。面識がなかったとみられる2人の間にトラブルなども確認されておらず、宮城県警は難しい捜査を強いられている。

<警告後 3発発射>
 県警によると、容疑者は19日午前4時ごろ、「現金を拾った」と交番を訪ね、警部補が応対室で対応。2人が言い争う声やエアガンを発射するような音を別室で聞いた男性巡査部長(47)が、警部補が胸などから血を流して応対室で倒れているのを発見した。床にはBB弾と呼ばれるプラスチック製の弾が数十個散乱していた。
 左手に刃物、右手にエアガンを持ち、警部補の横でしゃがんでいた容疑者が立ち上がって巡査部長を襲おうとしたため、巡査部長は「刃物を捨てろ」と警告。容疑者が応じずに向かってきたため、拳銃3発を発射したという。
 当時、容疑者は白いマスクと黒系の手袋姿で、身に着けた2個のウエストポーチには別のエアガン1丁や小型ナイフなどが入っていた。凶器は刃渡り約20センチの剣鉈(けんなた)状の刃物とみられ、致命傷となった左脇下からの刺し傷は心臓に達していた。

<銃に強い関心か>
 これまでの捜査で、容疑者宅から複数のエアガンが見つかった上、軍隊の装備品などの歴史を大学の卒業論文テーマにしようとしていたことが判明。銃への強い関心から拳銃奪取を図った可能性もあるとみて、家族や大学関係者から話を聞いている。
 ただ、動機に結び付く証拠は現時点で得られていない。検索履歴などが手掛かりとなり得る容疑者の携帯電話も見つかっていない。捜査幹部は「容疑の裏付けに時間がかかる。長期戦を覚悟している」と話す。
 警部補は交番勤務時に義務付けられる耐刃防護衣を着用せず、致命傷は防護衣でも防げなかった可能性が高いことから、警察官の安全強化も課題に浮上した。事件後、一部の署が当直中も防護衣着用を義務化したほか、県警本部内に交番の安全対策を検討するプロジェクトチームが発足。再発防止への取り組みが本格化している。

◎ソフト、ハード 両面で強化/宮城県警PTが初会合

 仙台東署東仙台交番で起きた警察官刺殺事件を受け、宮城県警は25日、交番・駐在所の安全対策強化に向けた交番等セキュリティ対策プロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。装備・設備のハード面、対面対応力や訓練といったソフト面の双方から対策を探る。
 PTは警務課総合企画室長(警視)がトップ。総務、警務、生活安全、地域4部の課長補佐級の職員10人で構成した。
 ハード面は交番などへの防犯カメラの設置促進や防御しやすいレイアウトの考案、ソフト面は相手との間合いの確保の徹底など、より実効性の高い対策を検討する。ベスト型が一般的な耐刃防護衣の妥当性も検証する。
 警務課の担当者は「小さな改善でも、できることはすぐ採用する。装備品の充実を含め、新年度予算に反映できるよう検討したい」と話す。


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2018年09月26日水曜日


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