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会津若松の水源域保全 公益財団法人が天然林5ヘクタール取得 生態系守り土砂災害防止

新たに取得した会津若松市の山林(奥山保全トラスト提供)

 公益財団法人「奥山保全トラスト」(兵庫県西宮市)は26日、会津若松市大戸町高川の私有地の山林5ヘクタールを取得し、天然林を保全すると発表した。一般からの寄付金で購入するナショナル・トラストで、水源の森、動植物の生息地を次世代に引き継ぐ。
 取得したのは阿賀川の源流域でクリ、ナラ、ミズナラなどの自然林が残り、ツキノワグマが生息する痕跡も見つかった貴重な山林。財団の活動に賛同した市内の個人所有者から購入の依頼があったという。
 奥山保全トラストは2007年、近くの山林3筆計10ヘクタールを取得しており、一体的に保全・管理ができると判断した。今後は地元の協力者が下草刈りなどの管理・保全に当たる。
 今回の取得で、同財団のトラスト地は全国で計16カ所の2033ヘクタールに拡大した。福島県内では2カ所目となった。
 財団によると、所有者らの高齢化に伴い、山の管理が困難になる事態が増加。放置状態の人工林が増えたり、相続の負担を避けて処分したりする例も多いという。
 売買契約後、会津若松市役所で記者会見した財団の大槻文夫事務局長は「近年、多発する地震による土砂災害を防ぐ点からも原生林の保全は重要だ。買ってほしいという要望があれば現地調査の上、積極的に対応したい」と話した。

[ナショナル・トラスト]自然環境を開発や荒廃から守るため、寄付金を募って土地を購入し、将来世代に残す英国発祥の活動。世界40カ国以上で行われている。日本では神奈川県で1960年代、森を宅地開発から守るため市民募金で買い取ったのが始まりとされる。


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2018年09月27日木曜日


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