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<女川原発1号機廃炉検討>2号機再稼働へ理解狙う思惑も

 【解説】東北電力の原田宏哉社長が女川原発1号機の廃炉の可能性に初めて言及した。運転開始から40年が迫り、廃炉は既定路線になりつつあった。このタイミングで表明したのは採算性に加え、古い原発を廃炉にする姿勢をにじませることで、原子力規制委員会による審査が終盤を迎えた女川2号機の稼働に理解を得たいとの思惑もあるとみられる。
 廃炉の検討は、東京電力福島第1原発事故を教訓に原発の規制基準が見直され、再稼働のハードルが上がったことに起因する。原則40年に制限された運転期間の延長には巨額の安全対策費が必要で、電力各社は古い原発の再稼働を断念せざるを得ない状況に追い込まれている。
 女川1号機は40年まで残り5年で、出力は82万5000キロワットの2、3号機の約6割。震災で痛手を受けた東北電の経営健全化も途上にある。2号機の審査が長期化する中、1号機の再稼働に費用対効果が見いだせなくなっているのが実情だ。
 東北電は、規制委による女川2号機の審査を2019年1月に終える目標を掲げる。来春にも事実上の「合格」となる可能性があり、その後は立地自治体に「地元同意」を得る手続きに入る。3号機の審査申請の準備も進む。
 迫る重要局面を前に、1号機の廃炉は周辺住民が抱える原発再稼働への不安を減らす「材料」にはならない。震災を踏まえた安全対策と地元に理解してもらう取り組みは、これまで以上に求められる。(報道部・高橋鉄男)


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2018年09月28日金曜日


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