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<トップに聞く>積極的に民間と協調 事業承継情報提供進める/日本政策金融公庫・田中一穂総裁

[たなか・かずほ]東大卒。1979年旧大蔵省入省。財務省主計局長、事務次官などを経て2016年東京海上日動火災保険顧問、17年12月から日本公庫総裁。62歳。東京都出身。

 日本政策金融公庫(日本公庫)の田中一穂総裁は仙台市内で河北新報社の取材に応じ、協調融資などによって民間金融機関との連携を強化する方針を明らかにした。東北でも多くの事業者が抱える後継者問題については「早めに事業承継を考えられるよう情報提供に力を尽くしたい」と語った。(聞き手は報道部・高橋一樹)

 −昨年12月に総裁に就任後、民間金融機関との連携強化を第一に掲げる。

 「政府系金融機関の役割はあくまでも民間の補完だ。特に大口融資の相談に来た事業者には、民間からも借りるように積極的に勧めている。事業者にとって民間にも取引先を持つことは、経営の選択肢を増やす点でメリットにもなり得る。4〜6月の1億円以上の貸し付けの件数や総額の9割は協調融資になった」
 「私たちが民間から不信を持たれる時は、融資先の事業者がそれぞれに違った説明をしている場合などが考えられる。融資案件で公庫に不満や不可解な点があれば、すぐに伝えてもらうよう呼び掛け、誤解を解きたい」

 −融資する中小事業者の多くは後継者問題を抱える。

 「多くの経営者が自らの代で廃業すれば大きな経済的損失となる。事業承継の検討は早ければ早いほどいい。そのような状況で、株式の相続税を全額猶予する本年度の税制改正はインパクトがある」
 「日本公庫は今年、行政や民間金融機関と連携し、事業承継に関する税制説明会を東北の16カ所を含む全国135カ所で開く。事業承継は繊細な問題だが、話すのが当たり前という文化をつくる必要があり、説明会をきっかけの一つにしたい」

 −北海道地震で被災した事業者への対応は。

 「全9支店に相談窓口を設置しており、徐々に融資の相談が増えると思う。中小事業者は手元の資金に余裕がなく、大事なのは早く貸すこと。東日本大震災や西日本豪雨のときと同様、全店で適切に対応したい」


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2018年09月28日金曜日


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