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<強制不妊手術>宮城で3人目 女性が提訴 全国の原告計13人に

横断幕を掲げて仙台地裁に入る原告弁護団=28日午前10時55分ごろ

 旧優生保護法(1948〜96年)下で強制不妊・避妊手術が繰り返された問題で、知的障害を理由に不妊手術を強いられた宮城県の60代女性が28日、国に3300万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。60代と70代の女性2人が原告の同種訴訟が同地裁で係争中で、提訴は3人目。兵庫県の夫婦2組も同日、聴覚障害者として初めて神戸地裁に、関西在住の女性(75)も大阪地裁に相次いで提訴し、全国の原告は計13人になった。
 仙台地裁に提訴した女性は69年に「中等度精神薄弱」と診断され、77年に不妊手術を受けたとされる。女性の実妹は亡くなった母親から「自治体職員に『障害年金を受給するには手術を受けるしかない』などと言われ、やむを得なかった」と説明されたという。実妹が今年3月、弁護団に相談し、宮城県への情報公開請求で手術記録を確認した。
 女性は他の原告と同様に、国は手術による人権侵害の実態を旧法廃止前から把握し、補償の必要性を認識していたと指摘。憲法が保障する幸福追求権に基づく自己決定権、人格権の侵害を前提に、救済措置を怠り続けた政府と国会の立法不作為を主張している。
 神戸地裁に提訴したのは、兵庫県内の70代の夫婦と、同県明石市の小林喜美子さん(86)と夫宝二さん(86)。憲法違反で救済措置も怠ったとして、国に1人当たり1100万円、計4400万円の損害賠償を求めた。
 70代夫婦は68年ごろ、夫が不妊手術を強いられた。喜美子さんは60年ごろ、妊娠発覚後に中絶手術と不妊手術を受けさせられた。いずれも、説明なく家族に病院に連れて行かれたとしている。
 提訴後に記者会見した喜美子さんは「なぜ妊娠しないのか分からなかった。寂しい気持ちで暮らしてきた」と心境を明かした。宝二さんは胸をかくように手を回す「苦しかった」という意味の手話を繰り返し、「皆さんに事実を知ってもらいたい」と訴えた。
 国に3000万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した女性は、高校受験に励んでいた15歳のときに日本脳炎にかかり高熱が出て、その後遺症で脳に障害が残った。高校卒業から結婚するまでの間に、大阪市内の産婦人科医院で不妊手術を受けさせられた。
 女性は「仲の良い夫との子どもが欲しくてたまりませんでした。手術のせいで子どもができず、とても悔しいです」と文書でコメントを出した。


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2018年09月29日土曜日


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