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<東日本大震災>庁舎再建 復興の節目 宮城・女川町と宮古市、今秋開庁 地域再生へ弾み

19年秋の完成に向け、建設が進む宮城県亘理町の新庁舎

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の自治体で新たな本庁舎の建設が相次いでいる。これまで被災者の生活再建を優先させてきた自治体にとっては、復興事業の総仕上げに向けた大きな節目。開庁を機に住民サービスの充実を図り、にぎわいの拠点として地域の再生を目指す。

 震災や東京電力福島第1原発事故で被災し、本庁舎の建て替えが必要となった自治体の状況は図の通り。4市町では現在も造成や建設工事が続く。
 津波で町役場が全壊した宮城県女川町は25日に新庁舎で業務を開始し、10月1日に開庁式を行う。JR女川駅の近くに位置し、子育て支援センターやイベントホール、図書室などを併設した。町の担当者は「行政機能を集約し、住民の利便性を高めた」と強調する。
 庁舎が津波被害を受けた宮古市も1日、JR宮古駅近くに新庁舎と市民交流センターの複合施設をオープンさせる。交流センターは音楽や運動スタジオも備えており、市の担当者は「市街地のにぎわいづくりも目的の一つ」と説明する。
 建設中の4自治体のうち、宮城県山元町では、内陸部に構えた仮設庁舎の隣接地で工事が進む。北隣の亘理町は、JR亘理駅の東部に町保健福祉センターと一体的な施設を整備する。両町とも震災の揺れで庁舎が大きな被害を受けた。
 原発事故で全町避難が続く福島県大熊町は、復興拠点に建設中の新庁舎を帰還に向けたシンボルと位置付ける。旧庁舎は帰還困難区域内にあり、会津若松市に行政機能を移していた。
 来春の一部地区での避難指示解除を見据え、建設現場の写真を町のホームページで毎日更新している。町の担当者は「遠い場所に避難する町民にも復興の様子を伝えたい」と話す。
 庁舎建設地の選定に時間を要した陸前高田市は、市内の小学校を移転・解体して敷地をかさ上げし、2020年度内の完成を目指す。敷地を造成中で、着工は来年3月ごろの予定だ。
 原発事故で全町避難が続く福島県双葉町は現在、いわき市などに行政機能を移している。町の帰還困難区域にある庁舎の移転などについては「調整中」という。
 3県ではほかに遠野、相馬、須賀川の3市と福島県国見、川俣両町も被災した庁舎を新築、再建した。


2018年09月30日日曜日


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