宮城のニュース

<まちかどエッセー・物江麻衣子>モノにあふれて

[ものえ・まいこさん]イラストレーター、デザイナー(屋号ico.)。墨汁やマニキュア、ドライバーなどを画材とし、東北放送製作「続・仙台弁かるた」や新聞・雑誌の挿絵、広告イラストを制作。現在、FMなとりで「イラストレーターico.のpiece of NATORI」放送中。1985年、宮城県名取市閖上生まれ。福島市在住。

 チャリティーショップという存在をご存じだろうか? 欧州では普及しているが、国内にはまだ100店舗前後といわれている。
 不用品を寄付してもらい、それをボランティアの手で商品化し、売り上げの2〜4割を国内外の慈善活動や社会の問題解決に寄付する。残りは運営費に充て、経営を回していく。
 英国ではチャリティーショップが1万店舗以上に及ぶ。街のメインストリートに何店舗も並び、不用品回収ボックスも至る所に設置されている。それは流行でも何でもなく、「物を大切にする」文化があるからだ。
 環境問題を卒業研究にしていた私は、リサイクルより、「物を捨てずに再利用する(リユース)」ことがエコの結論だと思った。リサイクルは原料に戻すにも加工するにも資源が必要だからだ。それでチャリティーショップに行き着いた。
 しかし、この日本で、果たしてチャリティーショップが普及するだろうか? まず、不用品が出たら皆さん、どうするだろう。
 チャリティーショップは、寄付されたものを手入れして商品にするので美品であるし、格安で手に入る。しかし、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリで誰もが気軽に売り買いできる時代だ。
 物量や種類で言えばそれらにはかなわないし、100円ショップでもある程度、何でもそろってしまう。「困ったら買ってくればいい。何でもあるから」。そんなセリフを何度言ったか聞いたか、分からない。
 日常生活で何か問題に直面した時、「お金」で「買う」ことで解決できるという思考は、ちょっと怖い。そのどちらかを失った時、手だてがなくなってしまう。お金がなくても、既製品に頼らなくても「工夫して」問題解決したい。
 これだけ便利な現代を、頭から否定する気にはなれない。ただチャリティーショップの存在意義は、モノに営利目的以外の、地域のつながりや循環する社会の仕組みを唱えている点にある。自分の消費が社会貢献やエコにつながるのだ。モノにあふれたその先を考えてみたい。
(イラストレーター)


2018年10月01日月曜日


先頭に戻る