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<原発事故集団訴訟>夢見た帰還、厳しい現実 「孤独や不安に耐えて生活」原告訴え

 「原発は罪作りだ」。仙台高裁で1日あった東京電力福島第1原発事故を巡る集団訴訟の控訴審第1回口頭弁論。意見陳述した原告らは、古里に帰還後も平穏な暮らしを取り戻せない無念さを原発にぶつけた。全国の同種訴訟で最多の原告が関わる審理を通じて、国と東電の責任を明確化する決意を改めて強調した。
 意見陳述したのは主婦吉田愛子さん(75)=南相馬市=ら2人。吉田さんは原発事故で福島市に一時避難したが、2016年の避難指示解除後、夫と共に古里の同市小高区に戻った。
 夫と家業の障子作りを再開し、穏やかな余生を過ごすことを夢見た。だが、帰還者は想像より少なく、理想とほど遠い現実にがくぜんとした。「ようやく戻れても孤独や不安に耐えて生活しなければならない」と悲痛な胸の内を訴えた。
 閉廷後、原告・弁護団が仙台市内で開いた報告集会には約500人が参加。原告団長の中島孝さん(62)=相馬市=は「裁判で国の責任を明確化し、脱原発への足掛かりにしたい」と語気を強めた。
 開廷前には仙台市中心部でデモ行進も実施。「福島の事故を繰り返すな」などと市民らに訴えた。


2018年10月02日火曜日


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