広域のニュース

<原発事故集団訴訟>住民側「賠償期間と対象の拡大を」現地検証と本人尋問求める 仙台高裁控訴審

仙台市中心部をデモ行進する原告ら=1日午後0時15分ごろ

 東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県と宮城など隣県の住民約3650人が国と東電に空間放射線量の低減による原状回復と、原状回復まで1人月5万円の慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が1日、仙台高裁であった。国と東電は約2900人に計約5億円を支払うよう命じた福島地裁判決の取り消し、住民側は賠償期間と対象地域の拡大を求めた。
 住民側は、賠償期間を政府が原発事故の収束宣言をした2011年12月までとした上、国の賠償基準(中間指針)外の会津地方、丸森町を除く宮城県南などの住民の請求を退けたのは「被害実態の無視」と昨年10月の地裁判決を批判。平穏生活権の侵害を確認してもらうため、福島県浪江、富岡両町の現地検証と原告18人の本人尋問の実施を求めた。
 事故当時、避難指示区域にいた40人は古里を失い精神的苦痛を受けたとして、1人2000万円の慰謝料も求めていたが、全国の同種訴訟での認容額などを考慮して控訴審では1人600万円に引き下げた。
 国は政府機関が02年に公表した大津波を伴う地震予測「長期評価」に関し、「災害リスクの確率論で、国の規制権限に関わる安全評価とは異なる」と強調。大津波は予見できず、仮に長期評価で津波遡上(そじょう)が想定された場所に防潮堤を設置しても事故は回避できなかったと主張した。東電は中間指針を超える賠償は合理性を欠くと訴えた。
 住民側弁護団によると、高裁の市村弘裁判長は閉廷後の非公開協議で、現地検証と原告本人尋問の採否を12月10日の次回期日に決める方針を示した。一審判決に対し住民と国・東電の双方が控訴したが、原告約3800人のうち約150人が控訴を取り下げた。


2018年10月02日火曜日


先頭に戻る