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<第4次安倍改造内閣>被災地の声聞いて 首都圏出身の復興相に注文

地盤かさ上げなどの工事が続く被災地。人口減少が進む中、産業や街並みの再建など課題は山積している=宮城県南三陸町志津川

 2日発足した第4次安倍改造内閣で、復興相に渡辺博道氏(68)=衆院千葉6区=が就いた。2012年の復興庁設置後、東北の東日本大震災被災地以外からの登用は4人目。被災者は「現場の声を聞き、復興の道筋を付けてほしい」と注文した。今回退任した東北の3閣僚はいずれも被災地が地元。それぞれが要職をこなした充実感をにじませた。

 石巻市大森の仮設住宅で自治会長を務め、今年7月に市内の新居に移った茶葉販売業生出信明さん(62)は「復興相交代は仕方ないが、被災者の事情をちゃんと引き継ぐべきだ」と要望。仮設転居後も心身の不調を訴える人がおり、「建物ができても、心も追いつかなければ復興は難しい」ときめ細かな対応を求めた。
 首都圏選出議員の復興相起用を疑問視したのは、大船渡市三陸町の飲食店経営菊地憲行さん(61)。全壊した店舗を3年前に再建したが、地域の人口減など不安もある。「自分の目や耳で現場に触れる行動派であってほしい」と強調した。
 釜石市中心部で小売店を営む金野光宏さん(76)も「復興需要がなくなる今後は市民経済への影響がより深刻になる」と指摘。「地域活性化の施策にも目配りを願いたい」と話した。
 東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町から避難し、いわき市の避難者向け災害公営住宅で自治会長を務める永島守さん(63)は「住居整備後もコミュニティー維持などの課題は多い。避難地域の実情を見てもらい、長期的課題にも取り組んでほしい」と訴えた。
 今回の内閣改造では被災3県選出の3閣僚が退任した。被災者からはねぎらいと惜しむ声も上がった。
 気仙沼市南町の酒屋経営浅野恵一さん(58)は、防衛相を務めた小野寺五典氏(57)=衆院宮城6区=を「文書の隠蔽(いんぺい)問題などがあった直後だったが、立派に大役を務めた」と評価。「次は日本を動かすようなポストに」と期待を込めた。
 原発事故で福島県富岡町から田村市に避難している建設会社経営遠藤寛和さん(48)は、復興相だった吉野正芳氏(70)=衆院福島5区=について「小さな行事にも足を運び、地域に目を配ってくれていたので残念だ」と語った。
 津波で自宅が被災した宮古市田老の団体役員赤沼正清さん(78)は、五輪相を退いた鈴木俊一氏(65)=衆院岩手2区=に「沿岸地区の復興に貢献してもらった。住民にとって心強い存在だった」と感謝した。


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2018年10月03日水曜日


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