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津波に流されず残った太鼓、震災前の奏者に響き届けたい 山下一小の3年生、学習発表会に向け練習中

学習発表会に向けて稽古に励む子どもたち。中央と左が被災した太鼓

 宮城県山元町の山下一小(児童71人)の3年生9人が、6日に同校である学習発表会で「山一復興太鼓」を披露する。たたくのは、解散した町の女性太鼓グループ「大和撫子(なでしこ)の会」が使っていた大太鼓。東日本大震災の津波にも流されず残り、一小で受け継いだ。子どもたちは太鼓の響きを会員に届けたいと、心を込めてばちを握る。

 復興太鼓は打ち手が素早く入れ替わる躍動感あふれる演目。担任の阿部広力教諭(60)の指導で、児童は夏休み明けから稽古に励む。全員で復興への思いも発表する予定で、鈴木瑶生(はる)さん(9)は「演奏やみんなで考えた言葉を大勢に聞いてもらいたい」と願う。
 発表会で使う三つの太鼓のうち二つは、津波で浸水した山下二小の体育館から奇跡的に見つかった。撫子の会は当時、二小体育館で練習しており、どちらかが会のものとみられる。震災前には、会員と児童が一緒に練習することもあったという。
 2011年3月まで二小に勤務し、転勤先の一小で太鼓を保管する阿部教諭。両校で太鼓の指導を続けてきたが来年3月に定年退職を迎え、本年度が最後となる。
 撫子の会の太鼓を子どもたちがたたき続けていることを伝えたい−。阿部教諭は約20人いた会員の消息を尋ねたが、大半が被災して移転し、連絡先が分かったのは一人だけだった。阿部教諭は「預かった会の太鼓で演奏が続けられたことを子どもたちと感謝したい」と元会員の来場を待つ。
 発表会は午前8時40分から。連絡先は山下一小0223(37)0044。


2018年10月04日木曜日


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