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スマホで認知症患者見守り むつ市「ミマモリオ」東北初導入へ タグ身に着けアプリで位置情報把握

専用アプリをダウンロードしたスマホ(左)と小型タグ
模擬訓練で発見された徘徊者役の男性(右)

 認知症患者の徘徊(はいかい)によるトラブルを防ぐため、青森県むつ市は情報通信技術(ICT)を活用したシステムづくりを進めている。近距離無線通信「ブルートゥース」を搭載した小型タグとスマートフォンを組み合わせ、患者の位置情報を把握する。東北の市町村では初めての導入で、年内の運用開始を目指す。
 小型タグは円形(直径3.7センチ、厚さ0.58センチ)で電波を発信する。製薬会社のエーザイ(東京)が提供するICTコンテンツ「Me−MAMORIO(ミマモリオ)」を使う。
 患者の衣服や所持品にタグを着け、家族はタグに対応する専用のスマホアプリ「マモリオ」をダウンロードし、「ペア」として登録する。電波は半径約30メートルの範囲に届き、患者がそれ以上離れると、家族のスマホに通知される。
 さらに患者が半径約30メートル圏外に出た場合は、アプリを「協力者」として登録した第三者のスマホに患者が近づくと、家族のスマホに位置情報が送信される。その際、第三者のスマホに情報は表示されない。
 運用の効果を上げるにはより多くの「アンテナ」となる協力者のスマホが必要なため、市は職員や関係機関にアプリ登録を呼び掛けている。
 市とエーザイが昨年4月に結んだ「認知症とともに生きる地域づくりに関する連携協定」に基づく取り組みの一つ。電池を入れると約1年間使えるタグ(価格4500円)は市が購入し、市認知症徘徊SOSネットワークの登録者(9月末現在で11人)が当面、無料で利用できるようにする。
 運用に向けた市の模擬訓練が2日にあり、警察や町内会、地域包括支援センターなど関係機関の約40人が参加した。徘徊者役の男性がタグを着けて市内を歩き、警察官らが捜索。家族のスマホに位置情報が随時送られ、約30分で男性を発見した。
 青森県によると、県内の認知症患者は2025年には8万3000人になると見込まれ、対策が急務となっている。むつ市高齢者福祉課の担当者は「認知症患者が安心して暮らせるよう市民にも専用アプリの存在を周知したい」と話す。

[メモ]むつ市内の認知症患者は推定値で約2800人。自宅から行方不明になり徘徊中に保護されたケースはむつ署管内で昨年度19件発生した。青森県警によると、昨年度に県内の認知症患者の行方不明者届を受理したのは94件。届け出前に保護されるケースなどを含めると600件を超えるという。


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2018年10月05日金曜日


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