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<福島知事選 課題の現場>若い農業者必要 小高の稲刈り、田園の将来像懸念

稲刈りが本格化した飯崎地区。南相馬市小高区の今年の水稲作付面積は61ヘクタールで東日本大震災以前の5%ほどだ
乾燥施設に運ぶため、もみを袋詰めに

 イナゴが少ない。ヤマカガシも目に付かないな。餌のカエルがいないからか。イノシシの害だけは続く。
 2016年7月、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された南相馬市小高区。飯崎(はんさき)地区で営農を再開した飯崎生産組合の水谷(みずがい)隆組合長(57)は田んぼの生態系を不思議がる。
 今年、12ヘクタールに稲を作付けした。黄金色の穂が台風の強風に負けず曲線を描き、稲刈りが本格化した。品種は「天のつぶ」で全量を飼料用米として出荷する。
 地区8戸で組合をつくり、圃場整備を始めたが、翌年の東日本大震災と原発事故で計画は狂った。水谷さんは福島市に避難した。
 「故郷を、田んぼを放っておけない」。荒れ果てた農地の草を懸命に刈った。除染後、福島県や市、農協に掛け合って約100ヘクタールの圃場を整備した。
 「震災前の風景を取り戻す第一歩は踏み出した。あとは一緒に農業をする若い世代を見つけないといけない。でないと5年、10年先小高の農業は描けない」(南相馬支局・佐藤英博)


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2018年10月05日金曜日


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