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<宮城・加美町>農道用地を不適切に転用 資材置き場として建設業者に、農地法に抵触か

町が占用を許可した資材置き場。農道用途とされる町有地は鉄の塀に囲まれ、立ち入ることができない

 宮城県加美町が、農道として使用することを条件に国から譲り受けた同町孫沢の土地を、同町の建設業者に資材置き場として貸していたことが5日、分かった。隣接する土地は自由な通行が妨げられており、周辺地権者は2016年から農地法などに抵触する可能性を指摘していた。町は3日付の地権者への文書で従来の主張を転換し、不適切な行政行為を認めて対応を検討している。

 町によると、問題となっている土地は戦後の農地解放に伴い国が整備した「開拓財産」で、登記上の地目は「公衆用道路」。1982年、合併前の旧宮崎町が当時の農地法に基づき、農林水産省から約2万3700平方メートルの譲与を受けた。
 土地は旧宮崎町が77〜81年に整備した「孫沢工業団地」内にあり、複数の誘致企業が2000年ごろまで工場用地として利用してきた。16年、加美町の建設業者が土地を所有する企業から一帯を借り受けて資材置き場を整備。町は同8月、土地の一部約670平方メートルの占用許可を建設業者に与えた。
 建設業者は一帯を高さ約3メートルの鉄の塀で囲み、農道が町道に接する部分も閉鎖された。隣接する林地の所有者らは管理のための立ち入りができなくなったなどとして、町に占用許可の取り消しを求めている。
 町側は土地が工場用地として利用されてきた状況を踏まえ、「当時から周辺地権者の了解を得て、占用を許可していたと考えるのが合理的」と正当性を主張してきた。
 しかし、地権者の質問状に対する3日付の回答書で「譲与通知書」が見つかったとして、従来の見解を訂正。譲与通知書には、譲与の条件が(1)土地の使用権を第三者に設定しない(2)道路として使わなくなった場合、国に返還する−などと明記されていた。
 取材に対し、町総務課は「文書の発見が遅くなり、申し訳なかった。今後の対応は県と協議して決める」と陳謝した。譲与当初から通知書に反して工業用地に利用されてきた点は「30年以上前にどういう経緯があったかは分からない。当時の手続きに問題のあった可能性がある」と指摘する。


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2018年10月06日土曜日


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