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<仙台市人事委員案提出断念>市長に重い結果責任 議論、議場で一切行われず

 【解説】仙台市人事委員会委員の欠員が、少なくとも2カ月は続く見通しとなった。任命権者が違法状態を長期化させた形で、郡和子市長の結果責任は極めて重い。問題ない人選と考えるなら議会に堂々と提案し、妥当性を議論すべきだった。
 候補者の弁護士は仙台市民オンブズマンの一員として活動した経歴があり、一部市議が「公平中立が求められる人事委員にふさわしくない」と異論を唱えた。
 元オンブズマンが中立性を欠くかどうかは議論が分かれる。河北新報朝刊「声の交差点」には「元メンバーが人事委員になることの何が、不都合なのか」と疑問視する声が寄せられた。
 市議会はこれまで政務調査費などを巡り、オンブズマンと激しい法廷闘争を繰り広げてきた。一部市議の異論は人選の妥当性より、オンブズマンへの感情論が先に立った印象を受ける。
 だが、何より問題なのは、こうした議論が議場で一切行われていないことだ。責任は議案を提出しない市側にある。満場一致で同意を得たい心理は分かるが、採決の結果を恐れて議題にしないという態度は、議会や有権者を軽視している。
 人事委は3人の合議制。1人欠ければ賛否が割れ、意思決定できない恐れがある。長期の欠員は組織の根幹を揺るがす事態で、任命権者がそれを優先的に回避しなかったことは、人事委軽視との批判を免れない。
 仙台市議会は、共産を除くオール与党体制が長く続いた。議案に異論があれば、市幹部が「説得」を試みるような関係があったが、少数与党の郡市政誕生で通用しなくなっている。水面下で調整するのではなく、公の場で主張をぶつけ合う健全な関係を期待したい。
(報道部・長谷美龍蔵)


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2018年10月06日土曜日


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