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<杜の都のチャレン人>高齢者見守る電話サービス 孤独救う「話し仲間」

親身になって利用者と電話で話す渡辺さん=仙台市泉区の事務所

◎高齢者を見守る電話サービス業を展開 渡辺己紀子さん(65)

 「高齢者が『幸齢者』になれる社会づくりに貢献したい」。電話で毎週1回20分間、独り暮らしの高齢者らの悩みや身の上話に耳を傾け、心身の健康状態もチェックするサービス業を個人で営んでいる。
 東日本大震災が人生の転機だった。発生時は宮城県美里町に住み、保険会社で働いていたが、新人で右往左往していた時に最初に契約してくれ、ずっと懇意にしていた人が犠牲になった。人生の理不尽さや命のはかなさを痛感し、「定年後はこれまでに受けてきた恩を社会に返す」と心に誓った。
 その思いに突き動かされ、定年退職後の2013年3月に単身で仙台市に移り住み、傾聴ボランティアや一般社団法人終活カウンセラー協会が認定するカウンセラーの資格取得などに励んだ。
 その頃、仮設住宅で高齢者の孤独死が頻発する現実に胸を痛め、電話を通じて高齢者を見守るサービス業を思い付いた。以来、孤独な高齢者が多い都市部で事業を始めようと準備を進め、16年10月に「お話し仲間」を仙台で起業した。心配事や愚痴、日々の出来事…。利用者に定期的に電話して、話を丁寧に聞いている。
 上級終活カウンセラーでもあり、利用者にとっては信頼できる助言者でもある。医療や住宅、財産などに関する相談があると、人脈を生かして専門家を紹介。利用者が家族と離れている場合は、本人の了解を得た上で会話の内容を家族にメールで連絡している。
 「夫を亡くして気落ちしていたが、電話での会話が生きがいになった」(石巻市、70代女性)、「介護と家事に追われ、家族以外との会話がなかったが、胸の内を吐露してストレス解消になる」(塩釜市、60代女性)…。利用者はまだ多くはないが、反応は上々だ。
 「限られた人生の中で人の役に立つ仕事をしていくことで、私の人生も豊かになるの」。親身で心強い高齢者のサポーターだ。
(ぬ)

[わたなべ・みきこ]53年宮城県美里町生まれ。一般社団法人終活協議会に所属し、終活セミナーの講師も務める。仙台市泉区在住。営業時間は月−木曜日の午前9時〜午後3時。入会金2000円、利用料は月額4000円。通話料は負担。連絡先は022(702)8215。


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2018年10月06日土曜日


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