岩手のニュース

<三鉄>復興への道、出発進行!運転士デビューの伊藤さん「古里の役に立ちたい」

6日に運転士デビューする伊藤さん

 岩手県などが出資する第三セクターの三陸鉄道(宮古市)で5日、運転士候補生4人に辞令が交付された。東日本大震災で傷ついた古里にUターンした伊藤貴思さん(26)=大船渡市出身=もその一人だ。6日の初乗務を前に「復興の役に立ちたい」と誓う。

 伊藤さんは、大船渡高を卒業して千葉県の大学に進学。鉄道マンを目指し、学業の傍らJRや私鉄で改札業務と乗り換え案内のアルバイトをこなしていた。
 首都圏で就職を考えていた伊藤さんを変えたのは、大学1年の2011年3月に起きた震災だった。両親は無事だったが、実家が津波で全壊した。
 震災発生から1週間後、駆け付けた古里の光景に言葉を失った。がれき処理に明け暮れた1カ月。「友人たちが大船渡のためにと懸命になっていた。自分も、と思った」
 大学を中退し、昨年4月に運転士候補生として三鉄に入社し、今年6月に国家試験に合格した。三鉄の橋上和司旅客サービス部長は「経験豊富でお客さまとしっかり対話ができる。文字通りの即戦力」と話す。
 現在は大船渡市の災害公営住宅で両親と暮らしながら、地元を走る南リアス線運行部に所属して「自分なりに復興に貢献したい」と意気込む。
 三鉄は2019年3月、JR東日本から山田線の宮古−釜石間が移管されるのを見据え、若手運転士の育成強化に取り組んでいる。5日は同期入社の2人が初乗務をこなした。
 伊藤さんの初乗務は6日午前5時48分の盛発釜石行きの始発列車。「地域の皆さんに慕われる運転士を目指す。身の引き締まる思い」と語り、その時を待つ。


関連ページ: 岩手 社会

2018年10月06日土曜日


先頭に戻る