宮城のニュース

<宮城オルレ>気仙沼・唐桑コース開設 復興の起爆剤に 住民一丸の熱意結実

唐桑産のカキ汁で参加者をもてなす地元住民ら=7日午後0時30分ごろ、気仙沼市唐桑町の中井公民館

 7日にオープンした韓国版トレッキングコース「気仙沼・唐桑コース」は東日本大震災後、観光客の減少に苦しむ地元の観光協会が復興の起爆剤としてコースづくりに励んできた。地元の熱意が宮城県を動かし、東京電力福島第1原発事故の風評被害を乗り越えた。
 開始式で盛り上がる唐桑半島ビジターセンター。唐桑町観光協会長の三上忠文さん(67)は「大変だったけど、やっとたどり着いた」と喜びに浸った。
 「九州で流行しているオルレを唐桑でもやらないか」。地元県議から提案された協会がコースづくりを始めたのは2016年10月。現地を視察するなどしてコースの候補を議論した。
 オルレはコースの6割以上が舗装以外の道でなければならない。住民から次々に情報が寄せられ、古い道を復活させた例も。県観光課の梶村和秀課長は「唐桑のやる気と熱意が伝わってきた」と振り返る。
 県の協力を得ながらも、大きな壁があった。「原発事故が起きた近くの場所を歩こうとは思わない」。認定機関「済州オルレ」を初めて訪問した時、一部の幹部から反対意見が出た。
 何度か韓国に出向き安全性を訴えた。済州オルレの幹部が町に来れば酒を酌み交わした。信頼関係を深め、少しずつ誤解を解いた。
 初日は、地元商工会女性部のメンバーが中井公民館でカキ汁を振る舞った。韓国語で話し掛け、笑顔を見せる女性の姿は韓国人観光客を喜ばせた。ソウル市から参加した会社経営朴鍾三さん(50)は「この地域の人たちはみんな親切で心が落ち着く」と感激した。
 唐桑の17年の観光客は12万4600人。震災前の10年(34万9100人)の3割強にとどまる。三上さんは「震災で落ち込んだ地域を盛り上がるきっかけにしたい」と誓った。


関連ページ: 宮城 社会

2018年10月08日月曜日


先頭に戻る