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<この人このまち>殉教キリシタンの歴史発信、誘客に生かす

[はたけやま・かずや]1947年、一関市藤沢町出身。合併前の旧藤沢町教委などに勤務。2015年から史跡保存会理事。

 岩手県一関市藤沢町の大籠キリシタン史跡保存会が、殉教キリシタンに着目した地域史の発信に取り組んでいる。理事の畠山一也さん(70)は岩手、宮城県境の史跡ボランティアガイド養成などに奔走。悲運の歴史を観光の起爆剤にしようと張り切っている。(一関支局・浅井哲朗)

 −製鉄とキリシタン殉教の地である大籠、登米市東和町米川、気仙沼市本吉馬籠。3地域の連携が始まりました。
 「多くの貴重な史跡を抱えながらも高齢化が進み、互いに協力しなければ伝承が危うい状況です。今年は史跡ガイド養成プログラムを開催しました」

 −今後の展望は。
 「3地域の住民や議員をメンバーに新たな組織を発足させたいと思っています。砂鉄を原料とするたたら製鉄の再現実験や県境の史跡マップ作りを考えています」
 「ただ、歴史愛好家に訴えるだけでは物足りません。幅広く観光客を呼べる地域づくりに向け、内陸と沿岸の食材を楽しむイベントなどを模索します」

 −大籠、米川は計300人以上が犠牲になった東北最大の殉教地でした。
 「私も大籠の出身です。親に『信者になりたい』などと言えば『ひどい目に遭わされるから駄目だ』ときつく言われたのを思い出します」
 「旧藤沢町の教育委員会に勤務していたときは、大籠の歴史に光を当てたいと製鉄炉跡などキリシタン史跡の発掘調査に携わりました。製鉄で大藩仙台を支えながら弾圧されることとなるキリシタン史は、東北の殉教地の中でも特有です」

 −岩手、宮城両県の教会関係者とも連携し、今夏は韓国から旅行関係者の視察を迎え入れました。
 「大籠や米川、東北にキリスト教を広めた後藤寿庵(じゅあん)ゆかりの奥州市水沢を巡ってもらいました。カトリック大国の韓国に巡礼ツアーを提案できるのではないかと感じています」

 −今年は「長崎と天草地方の潜伏(せんぷく)キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されました。
 「『平泉の文化遺産』(岩手県平泉町)と同じく、一度登録を延期されていますが、そのとき、関係者が九州から平泉と大籠まで視察に訪れてくれただけに、本当にうれしかったです。当地もグローバルな視点でキリシタン殉教の歴史を発信し続けます」


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2018年10月08日月曜日


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