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<楽天2018 苦難>(上)備え/主力不調、薄い選手層

8月3日のロッテ戦の10回、三振に倒れて最後の打者となったペゲーロ。チームは前日の勝利で借金10にまで減らしたが、この敗戦以降、再び借金は増えていった=楽天生命パーク宮城

 東北楽天の苦難の今シーズンは残り1試合となった。2013年以来の王座奪還を目指したが、開幕から低迷し、6月には梨田昌孝監督が辞任。急きょ引き継いだ平石監督代行も苦しい戦いを強いられ、最下位を脱出できなかった。開幕前には優勝争いができると期待されたチームの戦力的な誤算を検証するとともに、編成を担う石井一久ゼネラルマネジャー(GM)を新たに迎え再建の道を歩み出したチームの将来像を探る。(東北楽天取材班)

<蓄積した疲労>
 むちを入れ続けたチームの息切れを象徴する負け方だった。
 8月19日のロッテ戦(楽天生命パーク宮城)。6−3の九回、抑えのハーマンが5短長打を許し4点を奪われ降板した。まさかの逆転負けで自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出が消滅。球場はため息と怒号に包まれた。「気持ちの整理がつかない」。平石監督代行も戸惑いを隠し切れなかった。
 ハーマンの大乱調は必然だったかもしれない。本来の守護神松井は開幕から精彩を欠き、5月中旬にハーマンが代役に指名された。抑え転向後、2勝0敗17セーブ、防御率0.58と抜群の安定感を誇ったが、本人が認めるほどに疲労は蓄積していた。8月31日には左脚のけがで出場選手登録を外れ、再び1軍マウンドに上がることはなかった。

<現有戦力活用>
 平石監督代行は就任後、難しいやりくりを強いられる。打線ではウィーラー、ペゲーロの中軸、投手では松井に加え、勝利の方程式を担った福山、先発の柱だった美馬と、CSファイナルステージまで進んだ昨季の主力の多くが前半戦から不振に陥ったままだった。
 主力選手を脅かす若手の台頭も乏しく、トレードや新外国人の補強もなかった。現有戦力を活用するしかなく、田中、茂木、島内、今江、銀次、アマダー、藤田、ペゲーロ、嶋で1〜9番を固定。選手の奮起もあり後半戦は12勝2敗と波に乗り、8月2日には就任時に20あった借金は10まで減らした。
 だが、7月に11本塁打と大暴れしたアマダーのドーピング違反が判明。8月1日を最後に1軍を離れるアクシデントが起きた。さらに、藤田、茂木と選手層の薄い二遊間をけがで欠くと、チームは再び低迷し、借金は膨らんだ。

<絶えず競争を>
 長いシーズンにおいて主力の不調やけがは付きものだが、その備えは万全だったのか。
 確かに昨季は前半戦首位で折り返し理想的な試合運びが多かった。今年のオープン戦も3位に付け好調を維持しているかのように見えたが、ある首脳陣は「主力以外で結果を出したのは(オープン戦首位打者の)内田だけ。厳しい戦いになる」と危惧していた。
 15、16年オフは星野仙一球団副会長を交渉役に、フリーエージェント選手の今江、岸を迎えた。昨季は後半戦に巨人からクルーズを金銭トレードで獲得。茂木が負傷離脱した遊撃の代役とする手は打った。
 今季開幕前の補強はトレードで得た山下と手術明けで獲得したディクソン、西武を戦力外となった渡辺直の3人。開幕後は育成の石橋を支配下選手に復帰させただけで、上位チームとの選手層の差は歴然としていた。
 1月に星野副会長が亡くなり、「星野さんのためにも優勝を」と強い思いで臨んだシーズンは最下位に終わった。
 「今年勝ったから来年も勝てるほど甘い世界ではない。絶えず競争を生み出さないと強いチームになれない」。星野副会長の持論だ。不測の事態に備え、チームを活性化させる補強が望まれる。


2018年10月10日水曜日


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