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<秋田・高卒就職の今>(上)やりがい 地元建設業に女子を

産業教育フェアでは、SAKURAのメンバー(右)が女子高生に建設業の魅力を説明した(秋田県建設産業担い手確保育成センター提供)

 高卒者の半数が就職や進学で地元を離れる秋田県。10代の社会減を食い止めようと、県は2021年度の高卒者県内就職率74%を掲げてさまざまな取り組みを進める。やりがいのある仕事として女子生徒に地元建設業を紹介するほか、県内就職の「優等生」である金足農高に学び、全体の底上げにつなげようとの動きもある。模索する現場を訪ねた。(秋田総局・橋本俊)

 2017年10月に秋田市であった全国産業教育フェア。ひときわ目立つピンク色のブースが人気を集めた。平鹿建設業協会(横手市)の有志が17年、女性が働きやすい職場づくりを進めようと設立した同協会女性部「SAKURA」だ。
 横手市の半田工務店社長の半田志保子さん(46)ら女性技術者が仕事や職場環境を解説した。半田さんは「関心の高さは感じたが、『トイレはきれいか』など表面的な質問が多かった。建設業への理解はまだまだ」と苦笑する。

<県外流出3割>
 建設業の世界で働く人は施工管理技士などの資格を取得しキャリア形成を図る。県内では20代の女性も現場監督として職人を動かし、数千万円単位の規模の仕事に携わっているという。
 県は17年9月、佐竹敬久知事の主導で全国初の「建設産業担い手確保育成センター」を設立。SAKURAのような企業側の取り組みを支援したり、建設機材を使った学校への出前説明会を開いたりしている。
 半田さんは「同じ現場はなくやりがいがある。地域に根差して長く働けるので、『女性だから』と就職先の選択肢から除外するのはもったいない」と語る。
 今年3月に県内の高校を卒業した女子生徒で就職したのは919人。3割が県外企業に流出した。職種別ではサービス業が27.1%と最も多く、生産工程(25.7%)事務職(16.8%)と続いた。建設業の現場に立つような技術技能職は5.8%にとどまった。
 女子生徒の就職は、希望する仕事と求人との間でミスマッチが生じやすいとの声がある。本当に働きたい職種かどうかが、就職先を検討する際の判断基準には必ずしもなっていない現実をうかがわせる指摘だ。

<中学で説明会>
 秋田労働局によると、高卒就職は保護者の影響が大きく、名前が知られた県外の大企業を求める傾向が強いという。担当者は「何となく安心だからと企業名で選び、『仕事がつまらない』などと後悔するケースも多い」と明かす。
 こうした問題の解消につなげようと、県は昨年から、地域振興局単位で中学生を対象とした企業説明会(セミナー)を開いている。
 企業側は興味を持ってもらうためドローンを飛ばすなど工夫し、生徒からは仕事内容などの質問が相次ぐ。秋田西中(秋田市)で7月にあったセミナーは授業参観と併せて行われ、保護者も熱心に説明を聞いた。
 学校関係者は「女子生徒は、男子のように長いキャリアを前提に就職先を考えにくい。将来を考えるよう促すことが大切になる」と訴える。
 県が掲げた県内就職率の目標達成には、16年度の数値から9ポイントの上昇が必要となる。県の担当者は「就職問題にウルトラCはない。中学など早い段階からの取り組みが与える影響は大きいだろう」と期待した。


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2018年10月10日水曜日


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