宮城のニュース

<象牙違法転売>制度の抜け穴突き犯行?

 不正登録の象牙を売買したとして全国で初めて摘発された佐瀬常太容疑者(39)ら3人は、うその取得経緯を申告して国から登録を受けたとみられる。不正を許した国のずさんな管理体制も浮かび上がった。
 宮城県沿岸部の70代女性は昨年、自宅に来た佐瀬容疑者に、国内で40年以上前に買った象牙を売った。女性は河北新報社の取材に「登録が必要だと知らなかったし、(佐瀬容疑者から)登録の有無も確認されなかった」と証言した。
 象牙はワシントン条約で1990年以降、国際取引が全面禁止された。国内では種の保存法により、条約で禁じられる前に入手した象牙は登録を条件に売買可能だ。登録申請の際、取得経緯が分かる通関証明書や領収書がない場合、本人以外の「第三者証明」で代用でき、事件ではこの仕組みが悪用された。
 県警によると、3容疑者は登録者と知人の役割を分担。「30年前に家にあったのを見た」などと記した虚偽の第三者証明を作成し、9本の象牙を登録した。登録者の母親を装って記載したものもあった。
 環境省によると、象牙の登録は年間約2000本あり、うち9割は第三者証明が利用されるという。公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパンの担当者は「不正に取得した象牙でもロンダリング(洗浄)できる仕組みで、非合法取引への大きな抜け穴になっている」と指摘する。
 同省は第三者証明の撤廃も含めた規制強化を、来年6月に始める方向で検討を進める。


関連ページ: 宮城 社会

2018年10月11日木曜日


先頭に戻る