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<週刊せんだい>心を整える方法(2)呼吸法/息を巡らせ気分爽快に

貫和さん(左から2人目)が指導している西野流呼吸法のレッスン=仙台市青葉区
加藤メソッドを基にした自律神経を調整する呼吸法を教える朴沢さん(中央)=仙台市青葉区
呼吸法の効用を説明する朴沢さん=仙台市青葉区

<合気道や気功を基に>
  元日本呼吸器学会理事長の東北大名誉教授貫和敏博さん(71)=仙台市青葉区=は1993年秋から、同市内で西野流呼吸法を教えている。毎週木曜日の夜に約2時間指導し、約20人の老若男女が参加している。
 この呼吸法は、大阪でバレエ団を結成し、現在は東京を拠点に活動する西野皓三さん(91)が、合気道や気功、中国拳法などを基に独自に考案した。女優の由美かおるさん(67)も実践し、メディアで紹介している。
 足裏から始めて脚、腰、背骨、頭頂の順に息を吸い上げ、丹田や足裏などに巡回させていくイメージの「足芯呼吸」や体幹を水平に回しながら呼吸する「華輪」などの基礎を約1時間行う。続いて、向き合った2人が手の甲を合わせ、「対気」と呼ぶ、「相互に身体を感じてエネルギーの交感を図る」(貫和さん)稽古に移る。稽古中、笑顔が絶えない。
 貫和さんは「アジアでは古来、呼吸が筋膜の連続性で全身を巡るという理解があった。それを現代にフィットさせたのが西野流呼吸法。対気の効果は新鮮で、全身を気持ち良くさせる。スポーツでは味わえない感覚だ。体にまひがある人も参加しているし、高齢者の運動能力の増進にもなる」と語る。
 元会社社長富田秀夫さん(76)=青葉区=は17年前から受講し、呼吸法が日課となっている。「呼吸法に励んでいると、細胞が活性化する感じがあり、気分も爽快になる。年齢を重ねても、前向きでエネルギッシュになれる」と効果を強調する。

<生きる力を引き出す>
  仙台市青葉区にある統合医療機関「統合メディカルケアセンターTree of Life」では、加藤メソッドと呼ばれる呼吸法を教えている。朴沢博美センター長(54)が、詩人谷川俊太郎さん(86)らに指導している創始者の厚生労働省認定ヘルスケア・トレーナー加藤俊朗さん(71)から学び、自律神経の調整に主眼を置いた内容で指導している。
 基本的な心構えは、(1)意識を息に集中し、ゆっくりと丁寧に気持ち良く吐く(2)感謝の気持ちを持つ(3)前向きな感情を意識する−など。下腹部の丹田を中心に身体感覚を意識し、気付きを促す各種の呼吸法で心身の調和を図っていく。
 朴沢さんは「呼吸の力は生命力とも言え、加藤メソッドは生きる力や潜在能力を引き出す。心と体をつなぐ橋渡し役の自律神経を整え、気持ちの切り替えがうまくいく。医学的な裏付けもあり、安心して取り組める」と話している。
 連絡先は西野流が貫和さんtoshinkw47@gmail.com、加藤メソッドがTree of Life022(397)8337。

 世の中はストレスや悩みに満ちている。瞑想や呼吸法、ヨガ、座禅を通じて心穏やかに生きるこつの一端を紹介する。

◎腹式で気持ちを制御/自律神経と呼吸 朴沢耳鼻咽喉科院長朴沢孝治さんに聞く

 現代社会では過剰なストレスや気象の変化などで自律神経のバランスが乱れ、心身の調子を崩している人が少なくない。そんな人が手軽にできる健康法が呼吸法だ。
 自律神経のうち交感神経は活動時や緊張、ストレスが強い時に優位になり、副交感神経はリラックスした時に優位になる。その自律神経をコントロールできる働きが、呼吸にはある。
 心を落ち着け、リラックスしたい時には深い腹式呼吸が効果的だ。息を長く吐く腹式呼吸を続けていると、「幸せのホルモン」と言われ、気持ちを安定させるセロトニンが活性化する。
 深い腹式呼吸などの呼吸法を毎日15分程度、約3カ月間続けると、安定的にセロトニンが分泌されるようになり、心身の調子が次第に整ってくる。自分のペースでゆったりと気持ち良く呼吸することがポイントになる。やる気を出したい時にはリズミカルな早い腹式呼吸がお勧めだ。
 医学的に、正しい呼吸法が、自然治癒力や免疫力の向上などを促すと分かっている。他の治療と組み合わせれば、長く続く心身の不調が早く改善する場合も少なくない。

[ほうざわ・こうじ]1956年仙台市生まれ。東北大大学院医学研究科外科系専攻博士課程修了。東北大病院臨床教授や日本ホリスティック医学協会副会長などを務める。青葉区在住。


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2018年10月11日木曜日


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