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痩せたウニ、養殖し商品化 付加価値高め海外輸出へ 岩手・洋野に新会社

養殖ウニの輸出を目指す下苧坪社長

 水産加工卸ひろの屋(岩手県洋野町)が、ウニの養殖事業に取り組む会社「北三陸ファクトリー」を設立した。岩場からコンブがなくなる「磯焼け」の原因になる上、実入りも悪く商品価値のなかったウニの付加価値を高め、海外輸出に乗り出す。

 三陸沿岸で深刻化している磯焼けは、本来は動きの鈍る冬場のウニがコンブの稚苗を食べ尽くす現象。コンブを餌にする天然アワビの生育を阻害し、夏場の餌不足でウニ自体の実入りも悪くなる。
 2011年の東日本大震災以降のキタムラサキウニ大量発生と、16年以降の高海水温が原因とみられる。
 ファクトリーは、ウニが短期間で成長する人工飼料や養殖かごを北海道大や八戸学院大と共同開発。実入り率が3〜5%と低く、商品価値がないウニを実入り率15%以上に育てる。20年をめどに本格生産を始めるという。
 天然ウニの出荷はほぼ6〜8月に限られるが、養殖は通年出荷が可能。香港や台湾、シンガポールの富裕層を狙い、アジア諸国への輸出を計画している。
 19年までに加工場を整備し、ウニのパスタソースなどの商品化も手掛ける。首都圏の百貨店などで販売するほか、直売所や飲食店の運営も予定している。
 ひろの屋は14年に「北三陸ファクトリー」ブランドを立ち上げ、ウニやアワビの商品化を進めてきた。経済産業省の支援事業「地域未来牽引(けんいん)企業」に選定されたのを機に地元企業の協力を得て今回、会社化にこぎ着けた。
 下苧坪之典(したうつぼゆきのり)社長は「新事業は、低収入が課題の漁師の働き口にもなる。先進的な水産業モデルを確立したい」と話す。


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2018年10月11日木曜日


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