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<東日本大震災>横浜のNPO、東北の被災者首都圏で支える

福島県楢葉町の伝統芸能を楽しむ参加者。イベントなどを通して古里への思いをつなぐ=9月22日、横浜市

 NPO法人「かながわ避難者と共にあゆむ会」(横浜市)が、首都圏に暮らす東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の被災者らの支援を続けている。震災と原発事故から7年7カ月。地道に避難者と古里のつながりを紡ぎつつ、歩調を合わせて自立を模索する。(秋田総局・鈴木俊平)

 港湾を望む横浜市のビルの一室で9月下旬、力強い太鼓に乗せて踊り手が舞った。福島県楢葉町から駆け付けた「ならは天神太鼓うしお会」の演舞。神奈川や東京で生活する避難者ら約80人が懐かしい音色を楽しんだ。
 あゆむ会は2013年6月、被災地で支援活動に取り組んできた神奈川のボランティアらが有志団体として設立した。14年にNPO法人化し、定期的な茶会や生活相談などを通して避難者を支えてきた。
 住宅無償提供の打ち切りなど、避難者に対する公的支援は先細りつつある。あゆむ会は被災地の自治体職員らと情報共有や交流会を重ね、生活再建に向けた支援態勢の強化を目指す。
 理事の佐藤恒富さん(71)は「避難者同士でしか打ち明けられないことは多いはずだ。自立に向け、つなぐ会を一歩を踏み出す場にしてほしい」と期待する。
 避難生活が長引く中、避難者らも自発的に動く。15年には首都圏の約50人が「かながわ東北ふるさと・つなぐ会」を発足させた。あゆむ会のメンバーと散歩会や交流サロンを開くなどしている。
 つなぐ会会長の今里雅之さん(71)は、福島県富岡町から横浜市に避難中。「支援が縮小する今、人とのつながりを築いて孤立を防ぎたい」と前を見据える。
 復興庁によると18年9月現在、関東地方への県外避難者は2万2000人を超える。子どもの学習環境や生活の利便性を考え、避難先への定住を決めた人も多い。
 あゆむ会前理事長の鈴木実さん(84)は「将来的な帰還を後押しするには目の前の生活の安定が必要。支援の輪を築き、自立の在り方を探りたい」と話した。


2018年10月11日木曜日


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