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<汚染廃棄物>大崎の住民ら試験焼却の中止求め提訴

 東京電力福島第1原発事故で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の試験焼却を巡り、大崎市岩出山の住民組織「上宮協栄会」の阿部忠悦会長(79)らが11日、焼却施設などを運営する大崎地域広域行政事務組合の管理者の伊藤康志大崎市長に対し、試験焼却予算の支出差し止めを求める住民訴訟を仙台地裁に起こした。
 原告団は、組合を構成する大崎市など1市4町の124人。仙台市内で記者会見した原告団団長の阿部会長は「放射性汚染廃棄物の焼却は住民組織との約束違反で、組合の公金支出は認められない」と話した。
 試験焼却は同市三本木地区で保管する汚染牧草90トンを使い、周辺環境に影響が出ないかなどを半年かけて検証する。焼却は岩出山など三つの施設で行い、焼却灰は三本木の最終処分場に埋め立てる。
 訴えによると、岩出山の焼却施設と最終処分場について、組合が上宮協栄会や地元の水利組合と結んだ覚書や申し合わせでは、受け入れ対象物に放射性汚染廃棄物を想定していなかった。原告側は「受け入れは重大な変更に当たるのに、住民との事前合意を得ていないのは不当だ」としている。
 支出された場合の支出先への返還請求、試験焼却中止の仮処分申請も検討しているとした。
 大崎圏域の試験焼却は15日に開始する予定。伊藤市長は「訴状が届いておらずコメントは差し控える。試験焼却については予定通り実施する準備を進めている」とのコメントを出した。
 阿部会長らは8月、組合議会で可決された関連予算2159万円について、執行差し止めを求める住民監査を請求。組合監査委員は9月13日付で「請求要件を満たさない」と却下した。


2018年10月12日金曜日


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