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<杜の都のチャレン人>困窮する家庭の子ども 肯定し頑張る力養う

「対等の人間として子どもと付き合い、互いに学び合っている。活動拠点は大人にとっても大切な居場所」と話す富樫さん=仙台市宮城野区

◎経済的に困窮する子どもたちを支援する 富樫絵美さん(37)

 仙台市のNPO法人「STORIA(ストーリア)」は、生活に困窮する家庭の子どもたちへの食育の推進や学習支援などを行っている。活動拠点になっている宮城野区の地区集会所には、週2回10人余りの小学生が集まってくる。
 「絵美ちゃん、一緒に遊ぼう」と気さくに話し掛けてくる子どもたち。すぐさま「よーし」と笑顔で応じる。「家庭で親と過ごす時間が少ないなど、子どもたちは難しい環境の中で暮らしている。ここでは我慢することなく過ごさせてあげたい」
 「困難を乗り越えて生き抜く力を育み、貧困の連鎖を断ち切ろう」という法人の趣旨に賛同し、今春スタッフに加わった。他のスタッフ2人や大学生らのボランティアと共に、拠点に常駐して子どもたちの成長を見守っている。
 集まる子の多くは一人親家庭で育つ。過去に家出をしたり、夜に出歩いたり、問題行動を指摘された子もいる。しかし、継続的な支援で落ち着き、大人の手に余るような事態は起きていないという。
 大事にしているのは子どもたちの自己肯定感の育成だ。活動終了後に毎回、大人たちが子どものすてきな言動をまとめ、本人にも伝える。立場の違う2人を演じるロールプレー体験やカフェの運営を通じ、目標に向けて頑張る力、人との衝突を乗り越える力などを身に付けるプログラムも実施している。
 「小さな衝突があっても、子ども同士で解決し、乗り越えることが多い。頭ごなしにはしからず、尊敬できる部分からは大人も学ばせてもらっている」
 支援プログラムのマニュアル化、親への支援、中学生になる子のフォローなど、取り組むべき課題は山積しているが、表情は明るい。「子どもたちと接すると体力は奪われるが、元気になれる。彼らの輝きを持続させたい」(也)

[とがし・えみ]80年盛岡市生まれ。青山学院大卒。広告代理店営業などを経て、STORIAに参加。宮城県利府町在住。STORIAは2016年設立。拠点での活動は火、金曜午後4〜8時。連絡先は代表理事の佐々木綾子さん080(3335)3828。


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2018年10月13日土曜日


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