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<災害型リバースモーゲージ>高齢被災者の住宅の修繕後押し 家主の死後売却・清算、毎月の返済は利息のみ

災害型リバースモーゲージローンを杉山さん(右)に説明する村田さん(同2人目)

 東日本大震災など大規模災害で損壊した自宅の再建策として、災害型のリバースモーゲージローンが注目されている。被災した自宅と土地を担保に融資を受けることで毎月の返済額を抑え、死亡後に相続人に債務が請求されない利点がある。低所得の高齢者が自力で資金を調達する手段として成果が表れている。

 石巻市湊の無職杉山栄(さこう)さん(78)は東日本大震災で2メートルの津波に遭い、築100年前後の自宅が全壊判定を受けた。震災直後は比較的被害が少なかった2階に避難し、今も壊れた家屋に住み続ける在宅被災者だ。
 月3万円の年金暮らしのため再建は断念。国の応急修理制度などを使って自宅の一部を修繕したが床下は津波の影響で腐り、壁に空いた穴にウレタン素材のマットを張り風雨をしのぐ。
 在宅被災者の支援団体は修繕費を300万〜400万円と見込む。自己資金が乏しい杉山さんは支援団体や弁護士の仲介を受けて住宅金融支援機構東北支店と相談。修繕に向けリバースモーゲージ型の融資を申請する方向で協議している。
 杉山さんを担当した同支店東北復興支援室の村田健三さん(61)は「政府系金融機関として、災害リバースモーゲージには大きな役割があると自負する。一人であっても被災者の役に立てればいい」と話す。
 同機構の災害型リバースモーゲージローンは、自然災害で罹災(りさい)証明を発行された60歳以上の被災者に対象を限定した。2016年4月の熊本地震を受け開発され、昨年1月に商品化。在宅被災者らの再建手段として活用され、熊本地震に伴う申請は84件に上った。東日本大震災の被災地でも3件の利用がある。
 補修の場合の上限は、土地と建物の固定資産税評価額の約85%。金利は申込時の固定で年2.06%(10月1日現在)。毎月の返済は利息のみで、300万円の融資なら月々約5000円で済む。
 地方の土地でも200万〜300万円の修繕目的の融資であれば、担保評価の枠内に入る可能性が大きいという。
 同機構は「災害への対応は重要業務で、災害リバースモーゲージは高齢の被災者の住宅再建に有効だ。西日本豪雨や北海道の地震の被災地でも周知を進めていきたい」と浸透を目指す。

[リバースモーゲージローン]自宅と土地を担保に「60歳以上」など一定年齢以上の人に融資する商品。返済期間は申込者(債務者)が亡くなるまで。自宅に住みながら住宅資金や生活資金の融資を受けられ、毎月の支払いは利息分だけで済む。一方、土地評価額が低い地方では、都市部に比べ融資額の上限が低くなる傾向がある。


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2018年10月15日月曜日


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