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<まちかどエッセー・高橋清博>「縄文D」の記憶の宴

[たかはし・きよひろさん]イベントプロデューサー。オフィスQ代表。祭り、ステージ、展覧会など幅広い分野で制作活動を展開。主なものに、仙台・青葉まつりすずめ踊り、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、とっておきの音楽祭、丸森斎理幻夜、縄文人記憶の宴、エフエム仙台「飛び出せ高校生諸君!」など。1953年、宮城県柴田町生まれ。

 最近のDNA研究によって、縄文人のDNA分析結果が明らかになり、日本人には縄文人と同じ「D」タイプの男性が多いということが分かってきました。
 男性が持つ「Y染色体」は、古い先祖から時代を追って次々に分かれ、現在世界中に、古い順に「A」から「T」まで20のグループがあります。その中で「D」はまさに縄文時代に当たるのだそうです。
 仙台市市民文化事業団30周年記念の企画に参画することになり、われわれ日本人の中に潜む、この「縄文D」の記憶を呼び覚ますさまざまな試み、「縄文人の記憶の宴」を始めました。プレ公演を含め、2016年より3回行い、今年は今月20日に4回目を実施します。
 クライマックスは草舟を燃やす炎の儀式。冬に刈り取った笹竹で、夏に地元の子どもたちと一緒に全長5メートルほどの草舟を作り、実際に宮沢橋下の広瀬川に浮かべて、子どもと大人が一緒に乗って川下りをしました。その草舟を10月の宴で、巨大ひもぎり式火おこしで採取した火で燃やし、天へ送ります。
 縄文遺跡から出土するのは丸木舟ですが、葦(あし)や竹で作る草舟もあったという説もあるのです。
 この「宴」には、当日来場の皆さんも参加できます。土面を着けたり、縄文食を味わったり、縄文楽器に触れ一緒に縄文の音楽を奏でたり、ベンガラで縄文メークをしたり、一緒に踊ったり。だれでも縄文人になることができます。
 草舟を包む炎を見つめていると、自然と共に生き、風土に合わせて生活を工夫し、家族や仲間と助け合って暮らしていた縄文人が身近に感じられるでしょう。
 1万年以上も安定した社会とユートピアを築いていた縄文人の暮らし方は、東日本大震災を経験した私たちの目に、これからの未来の方向性にヒントを与える炎の揺らめきとなって映るのです。
 縄文の火まつり「縄文人の記憶の宴」は20日(土)午後4〜6時、仙台市縄文の森広場。さあ、会場でお会いしましょう。
(イベントプロデューサー)


2018年10月15日月曜日


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