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宮城と旧薩摩藩士の絆を劇に「石に刻んだ赤心」3都県で11月から上演

雄勝石採掘の礎を築いた山本の墓を取材で訪ねた大日さん=石巻市雄勝町

 1877年の西南戦争で敗れ、囚人として送り込まれた宮城県で雄勝石採掘に従事した旧薩摩藩士の史実に基づく歴史劇「石に刻んだ赤心(せきしん)」が宮城、東京、鹿児島3都県で11月2日から上演される。企画した仙台市若林区の演出家大日琳太郎さん(58)は「宮城と鹿児島の深い結び付きを知ってほしい」と語る。

 雄勝石の産地、石巻市雄勝町は東日本大震災で、屋根材に用いるスレートやすずりを製造する事業が大打撃を受けた。事業の創生期に旧薩摩藩士も関わった歴史を発信し復興を後押ししようと、大日さんが現地で取材を重ねて脚本を仕上げた。
 劇には明治初期、雄勝に会社を設立し石盤製造の先駆けとなった実業家山本儀兵衛や囚人3人が登場。囚人たちが地元住民との交流を通じて、新しい国造りに貢献する決意を固める姿を描いた。
 雄勝であった火災で囚人が人命救助に活躍した実際の逸話や、1人は出所後も雄勝に残ってすずり彫りの名人になったという伝説を盛り込んだ。鹿児島県指宿市出身のバリトン歌手大山大輔さんらが出演し、ギターの生演奏も付く。
 実業家の山本を演じる大日さんは「地域や国の礎を築いた先人の思いを受け継ぎたい」と言う。囚人を世話した地元女性役の雄勝町のアマチュア劇団員島田江利子さん(39)は「特産の雄勝石によって雄勝が栄えた原点を知ってもらえるはず」と話す。
 公演は2日に仙台市青葉区の電力ホール、4日に石巻市雄勝小・中、5、6日に東京都文京区の文化シヤッターBXホール、7、8日に鹿児島市の県民交流センター。連絡先は大日さん080(5093)7698。

[メ モ]西南戦争後、懲役刑を受けた旧薩摩藩などの兵士305人が仙台の宮城県監獄署に送られた。「産業振興に役立ちたい」とリーダー格が請願書を出したため、囚人の一部が雄勝で学校教育向けの石盤やすずり、屋根瓦に使う石の採掘に従事した。


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2018年10月15日月曜日


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