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山形でイノシシ食害急増 宮城から侵出?遺伝子類似 11月から蔵王以北で狩猟域拡大

尾花沢市の道路で目撃されたイノシシ=2017年9月(山形県提供)

 奥羽山脈沿いの山形県側でイノシシの目撃情報や農作物被害が急増していることから、県は鳥獣保護区域を見直し、11月から山形市から天童市にかけての宮城県境周辺でイノシシの狩猟を解禁する。仙台市西部のイノシシが侵出しているとみられ、専門家からは狩猟にとどまらない食害対策の強化を求める声も上がっている。

 県によると、山形では明治時代末期にイノシシの生息情報が途絶えた。だが、2002年に天童市で1頭が捕獲されて以降、村山・置賜地方で捕獲数が増加。17年度は888頭を捕獲したが、水稲やイモ類などを中心に5000万円以上の農作物被害が発生し、鳥獣被害総額の1割近くを占めるまでになった。
 特に被害が大きいのは奥羽山脈沿いの自治体だ。山形、天童、上山の各市では17年度までの5年間で農作物被害が数倍から数十倍に激増している。
 宮城県が07〜11年度、山形大に委託して行った遺伝子解析では、仙台市を中心とする宮城中部のイノシシの一部は山形県内の個体と遺伝子組成が類似していた。仙台市西部から山形県村山地方に集団で侵出していると考えられるという。
 山形県は11月以降、山形市蔵王以北の約5000ヘクタールで、これまで禁止していたイノシシの狩猟を解禁する。20年には狩猟可能区域をさらに北の東根市まで広げる。拡張されるのは計約7720ヘクタールになる予定だ。
 奥羽山脈沿いでは、秋田県でもイノシシの目撃情報が増加している。隣県から侵出しているとみられ、県は17年度、イノシシの管理計画を新たに策定し、狩猟期間外であっても狩猟者による捕獲の許可を容易にしている。
 山形大の江成広斗准教授(野生動物管理学)は「捕獲だけで農業被害を防ぐのは難しい。対策は技術的にほぼ完成しており、電気柵などの普及を急ぐべきだ」と話している。


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2018年10月17日水曜日


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