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<トップに聞く>国産ホップ活用に力 CMを主力品に絞りヒット/キリンビール・布施孝之社長

[ふせ・たかゆき]早大卒。1982年キリンビール入社。小岩井乳業社長、キリンビールマーケティング社長などを経て2015年1月からキリンビール社長。58歳。千葉県出身。

 キリンビールの布施孝之社長は、仙台市内で河北新報社の取材に答えた。国内のビール類の出荷量は昨年まで13年連続で過去最低を更新したが、同社の2018年12月期中間決算は新商品のヒットなどで9年ぶりの増収増益を達成した。好調の背景や今後の戦略を聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

 −上期の状況を踏まえ、通期の国内のビール類販売計画を上方修正した。
 「昨年9月にリニューアルした一番搾りの缶の販売数量は、13カ月連続で前年を上回っている。ともに第三のビールで今年1月に発売したアルコール度数の高い『のどごしストロング』、3月発売の『本麒麟(きりん)』も好評だ。本麒麟は当初販売予定数を上回り、ここ10年の新商品で最高の出荷量となった」
 「シェアが低減傾向にあり、長期的な負け戦が続いているという危機感を社員と共有し、社内風土の変革に取り組んだ。以前は20以上のブランドでCMを打っていたが、現在は主力5ブランドに絞り、顧客へのメッセージを明確にした」

 −イオンなど流通大手向けのプライベートブランド(PB)の製造受託に踏み切った。
 「昨年6月の改正酒税法でPBが大きく台頭し、今後も増えることに対応した。大手小売りのPBは海外メーカーが製造していたが、海外生産では鮮度が落ちる。そういうニーズや悩みも聞いていた」
 「目先のシェアや工場の稼働率を上げるという目的ではない。PBの受託で大手小売りとの関係を強化し、自社ブランドの販売を拡大したい。今のところPBと自社ブランドの競合はなく、すみ分けができている」

 −東北はビールの主原料の国産ホップの約95%を生産しているが、農家は後継者難や売り上げ減に悩んでいる。
 「クラフトビールの市場開拓が鍵だ。国産ホップの7割を当社が使い、調達ルートのないクラフトビールメーカーにも販売している。クラフトビールの消費が伸びて国産ホップの使用が拡大すれば、農家の売り上げも増える。そうすれば新規就農者も出てくるだろう」


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2018年10月17日水曜日


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