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<松川事件>戦後最大の冤罪 記憶遺産登録へ再始動 発生70年の来夏実現へ決意新た

「松川事件」関連資料の世界記憶遺産登録を目指し、記録映画が上映された集会

 戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる「松川事件」の関連資料について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)登録を目指す集会が9月30日、地元の福島市であった。ユネスコの国内委員会が昨年、登録審査に向けた推進を見送っており、再挑戦へのキックオフとなった集会。関係者が事件発生から70年となる来年の実現へ決意を新たにした。

 集会は、再挑戦に向けて有識者らが結成した70周年記念事業実行委が主催し、約80人が参加。実行委共同世話人の今野順夫福島大名誉教授は「貴重な資料の数々は人権を守った運動の記録であり、後世に承継されるべきだ」と呼び掛けた。
 集会では家族らが無罪を信じて元被告の帰りを待つ記録映画(1960年製作)の上映や講演が行われた。供述調書をはじめ刑事裁判資料が、福島地検に現在も保管されていることも紹介された。
 登録申請は来年6月、資料を保管する福島大などが中心に行う予定。元被告で福島市の阿部市次さん(95)は集会後、「時代が流れ、事件を知るすべは資料しかない」と語り、登録実現に期待した。
 松川事件は1949年8月、福島市松川町の東北線で列車が脱線、転覆して機関士ら3人が死亡した。旧国鉄などの労働組合員ら死刑4人を含む計17人が二審で有罪判決を受けた。61年の差し戻し審で全員に無罪判決が言い渡され、63年に確定した。


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2018年10月18日木曜日


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