宮城のニュース

<志津川湾ラムサール登録>自然保護へ決意新た 地元、観光振興も期待

志津川湾に飛来したコクガン=2017年1月10日、宮城県南三陸町

 ラムサール条約の保全対象リストに宮城県南三陸町の志津川湾が新規登録された18日、地元に喜びの声が広がった。重要な湿地の保全を目指す条約に基づき、古里の景観、豊かな生態系が国際的な評価を受けた。住民は自然保護への決意を新たにしつつ、観光など産業面への好影響を期待した。

 暖流と寒流が混ざり合う志津川湾は200種類以上の海藻をはじめ、国天然記念物コクガンの重要な餌である海草のアマモが生育する。海藻マコンブの南限、アラメの北限に近いため、多様性を象徴する藻場として知られる。
 持続可能なまちづくりに取り組む一般社団法人サスティナビリティセンター代表理事の太斎彰浩さん(48)は「志津川湾が国際基準の評価を受けたことは、海の価値を見直す機会につながる」とした上で、「ラムサールというブランドを今後どう生かすかが問われる」と指摘する。
 志津川高3年の渡辺柊真(とうま)さん(17)は自然科学部の活動で2017年から2年間、志津川湾近くの干潟の生物調査を行った。「この先も今と変わらず、暮らしに恵みをもたらす海であってほしい」と願う。
 志津川湾は町の基幹産業である水産業を支える漁場だ。東日本大震災後、湾内の戸倉地区のカキ生産者は養殖棚を減らして環境に配慮した漁業に切り替え、国内で初めて水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証を取得した。
 県漁協志津川支所戸倉出張所カキ部会長の後藤清広さん(58)は「条約によって生産物に新たな価値が付き、アピールポイントになる」と話す。
 誘客客面へのリスト登録の活用も期待される。町観光協会会長の及川吉則さん(52)は「志津川湾が世界のお墨付きを得たことで、観光の広がりが期待できる。条約の価値を引き出していきたい」と意気込む。


関連ページ: 宮城 社会

2018年10月19日金曜日


先頭に戻る