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<南部鉄器>3D技術で変身 鉄プレッソ、ドクロ鉄瓶…若者にアピール

及富が3D技術を使って製作した新商品

 創業170年の南部鉄器製造「及富」(奥州市)が、最新の3次元(3D)技術による商品開発に挑戦している。複雑な形状の鋳型を容易に製作でき、作業時間の短縮を実現。機能性とファッション性を兼ね備えた商品で若い世代の需要を掘り起こす。
 図面を引いて鋳型を作る従来の手法に比べ、デザインを直ちに3Dプリンターで試作品にできることで省力化を実現した。設計から試作、鋳造、仕上げの工程を一貫して担う南部鉄器製造の強みを存分に生かせるという。
 コーヒーを入れる「鉄プレッソ」は黒を基調に、狙い通りの洗練された形状に仕上がった。ドクロマーク入り鉄瓶といったユニークな商品も製作。取っ手の付いた健康器具の製造も始めた。
 担当者は「南部鉄器は長持ちする半面、ファッション性に欠けるきらいがあった。若い客層を開拓するにはインテリアに活用できる新商品が必要だ」と強調する。
 南部鉄器の職人は高齢化が進み、及富も60歳以上が半数を占める。3D技術を取り入れて若手技術者を発掘し、伝統技術を継承したい考えだ。東北経済産業局から後継者の育成を目指す地域資源活用事業の認定も受けた。
 菊地章専務は「市場にはさまざまなデザインの日用品があふれ、普段の生活では南部鉄器を使う意味が薄れている。幅広い世代の感性に合う商品を開発し、鉄器に興味を持ってもらえる機会を増やしたい」と意気込む。


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2018年10月20日土曜日


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