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忘れないで多くの絆 大船渡・越喜来小5年生「かなえのタイヤ」上演

震災が題材の劇「かなえのタイヤ」を熱演する児童

 東日本大震災を語り継ごうと、大船渡市越喜来(おきらい)小の5年生15人が20日の学習発表会で、児童劇「かなえのタイヤ」を上演した。校庭に据えられた遊具にまつわる実話を基にした劇で、タイヤの持ち主で行方不明となっている瀬尾佳苗(かなえ)さん=不明当時(20)=と家族の思いを、下級生や地域住民に伝えた。
 東京都出身の瀬尾さんは越喜来地区で学生生活を送っていて津波に遭った。授業で9月から瀬尾さんの足跡をたどった15人は、意志が強く生き物好きだった人柄や震災当日の状況、家族らが校庭に遊具を設置した経緯を情感を交えて熱演。
 全員で「どうか、忘れないでください。この越喜来を深く愛してくれた人がいたこと。佳苗さんがつないだ、たくさんの絆を」と力強く語り掛け、劇を締めくくった。瀬尾さん役の小西敦友(あつゆ)さん(10)は「やってきたことを全部出せた。将来、自分の子どもにも伝えたい」と語った。
 観客席では佳苗さんの父真治さん(64)と母裕美さん(60)が、娘の写真を膝に乗せて児童の演技を見守った。
 劇中、感極まって何度もハンカチで目頭を押さえていた2人は「感動をありがとう。佳苗が一番喜んでいると思う」。終了後に児童をねぎらい「元気で夢を持ち、佳苗の分も頑張って。今度一緒に(タイヤの)ペンキを塗ろうね」と優しく語り掛けた。
 越喜来小は校舎が津波で全壊し、高台に移転新築された。2人が知人とともに2017年2月、校庭にタイヤ遊具を据え付けた。


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2018年10月21日日曜日


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