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福島・大熊中吹奏楽部、響き終止符 生徒減で最後の演奏会

楽団の最前列で演奏する吹奏楽部の4人

 東京電力福島第1原発事故で会津若松市に避難する大熊町大熊中の吹奏楽部が本年度で休部することになり、同市で14日、最後の演奏会があった。長引く全町避難に伴い生徒数が減少、来年度以降の継続が困難になった。「再び古里で演奏したい」。生徒らは感謝と希望を胸に音を奏でた。

 部員は打楽器の渡辺菜々美さん(14)、半杭真奈さん(15)、クラリネットの市川綾花さん(14)、チューバの青山蓮さん(15)の3年生4人。
 演奏会は大熊町の熊小と大野小が仮校舎にする旧河東三小の体育館であり、卒業生をはじめ会津シンフォニックアンサンブル、郡山吹奏楽団、安積合唱協会など総勢約120人が友情出演してもり立てた。
 ステージでは「星条旗よ永遠なれ」「ディズニー・プリンセス・メドレー」などを披露。最後は約150人の観客と一緒に校歌で締めくくった。
 原発事故前、同校生徒は約370人いた。避難後は保護者の就職や住宅再建などで転校が相次ぎ、現在は12人。「大勢での演奏を経験させたい」と、顧問の酒井澄人教諭(53)が音楽関係者に協力を呼び掛け、3年前から3年生の引退コンサートを開催。今年はこれまでで最大規模になった。
 終了後、部長の渡辺さんは「酒井先生をはじめ多くの人に支えられ、一生忘れられない演奏会になった。将来、学校が町に戻り吹奏楽部が復活する日を楽しみにしたい」と感謝した。
 酒井教諭は「4人は楽譜も読めず、音も出せない状態から人前で演奏できるまでに成長した。音楽は人をつなぐツールだということが生徒に伝わればうれしい」と話した。
 大熊町は大川原地区の来春の避難指示解除に向け、新庁舎、災害公営住宅などを建設中。幼小中一貫校は2020年度、同地区に開設する計画だ。


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2018年10月21日日曜日


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