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シルバー世代は「金の卵」 労働力人口の縮小進む秋田で引く手あまた

野菜を運ぶ木口さん。仕事が生きがいになっているという=秋田市公設地方卸売市場

 少子高齢化で労働力人口の縮小が進む秋田県で、高齢者雇用に活路を見いだす企業が増えている。即戦力として重宝され、定年後の再雇用に取り組む企業の割合は全国上位を誇る。人手不足解消につながる一手として、派遣や再就労による人材確保が熱を帯びる。
(秋田総局・鈴木俊平)

 今月上旬、朝の活気に満ちた秋田市公設地方卸売市場で、元会社員木口修一さん(71)が新鮮な野菜の入った段ボール箱を次々に仕分けした。
 「人のにぎわいがある楽しい職場」と木口さん。週5日、午前3時から8時半ごろまで出荷の作業を担っている。フォークリフトも器用に乗りこなす。

<派遣先の増加続く> 
 市内の自動車工場を早期退職後の2014年、市シルバー人材センターに登録した。除雪作業などの仕事を経て、今年9月から卸売市場で働いている。
 派遣先の丸果秋田県青果では、早朝勤務や力仕事が敬遠され採用難が続いていた。現在は木口さんをはじめセンターから5人を受け入れている。江幡隆一常務は「現場を支える頼もしい存在だ」と感謝する。
 県シルバー人材センター連合会によると、県内の各センターの登録者は9月現在で約7200人。改正労働者派遣法が施行された15年以降、企業との契約数と契約金額が急増している。
 契約金額は15年度に1億円を超えてから毎年1億円規模の増加が続き、17年度は約3億7000万円と過去最高を記録。18年度は4億5000万円を見込む。
 連合会の茂木重雄事務局長は、業種間で異なっていた派遣期間が法改正によって統一されたことなどが背景にあると推測。「人件費を抑えたい企業と、繁忙期にピンポイントで働ける高齢者がうまくマッチングしている」と分析する。

<全国上位の雇用率> 
 企業側の受け入れ環境の整備も進む。秋田労働局によると、31人以上が在籍する県内企業1361社のうち、70歳以上まで働ける割合は17年で33.7%。4年連続の全国トップだった。
 65歳以上を雇用する企業も17年で81.6%と全国7位。働く意欲のある高齢者を積極的に受け入れている状況がうかがえる。
 北都銀行(秋田市)は毎年20人前後を再雇用し、それぞれ現場で活躍してもらっている。14年には上限年齢を70歳へ引き上げた。担当者は「顧客と広く築いた関係が活用でき、若手教育にも好影響」と語る。
 秋田労働局は「高齢者の健康面などに目配りが行き届いた柔軟な勤務体制の職場なら女性や外国人も働きやすく、若い世代の採用につながるはずだ」と話す。


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2018年10月24日水曜日


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