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<Eパーソン>EV化備え技術磨く

山口桂一郎(やまぐち・けいいちろう)慶大卒。1975年大同製鋼(現・大同特殊鋼)入社。技術企画部長などを経て2009年に大同マシナリー社長、13年6月から東北特殊鋼社長。66歳。静岡県出身。

◎東北特殊鋼 山口桂一郎 社長

 東北特殊鋼(宮城県村田町)は2018年3月期決算で、過去最高の純利益を記録した。世界的な製造業の活況が反映した一方、売り上げは自動車業界向けが約8割を占め、電気自動車(EV)化への対応が喫緊の課題だ。山口桂一郎社長に事業展開などを聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

 −業績が好調だ。
 「18年3月期の売上高は約204億円で、前年度より約9%増えた。純利益は約19億円で約16%の増加。本年度も国内やアジアは自動車の販売が堅調。もう一つの主要取引先の半導体製造装置メーカーもIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)の進展で市場が拡大し、フル生産が続く」

 −自動車関連の売り上げが多い。EVへの対応は。
 「現在はエンジン周辺の製品が主体だ。吸・排気エンジンバルブ用の耐熱鋼、電子燃料噴射装置用の電磁ステンレス鋼の国内シェアはともに約5割で、国内トップ。しかし、EV化でエンジンがモーターに置き換わるとされ、強い危機感を持っている」
 「当社は東北帝大(現東北大)の研究成果の量産化を目的に設立され、東北大とは材料開発などで深い関係を築いている。EV化に対応する新製品の開発でも関係を密にし、自社の技術を磨いていく」

 −昨年5月にはインドに鋼材の販売、製造を担う子会社を設立した。
 「来年7月、量産を開始する予定だ。インドの顧客には輸出で対応していたが、現地工場から納められるようになり、コストを削減できる。自動車の国内市場は縮小しているが、インドは経済成長が著しく、確実な受注増も期待できる」

 −昨年度で創業80年を迎えた。
 「1970年代、オイルショックで経営が悪化し、リストラや上場廃止を余儀なくされた。工場を創業の地の仙台市太白区長町から宮城県村田町に移転して生産性を高めた。2004年にジャスダックに再上場を果たした」
 「創業100年を見据え、自動車の変化への対応が最重要課題となる。さらにIoT化に伴って需要が増すセンサーシステムなど、独自の材料を生かした技術開発にも取り組む」


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2018年10月25日木曜日


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