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<長部日出雄さん死去>「作品は津軽の財産」青森から悼む声

 出身地青森県の文学関係者らからも、長部日出雄さんを悼む声が上がった。
 「津軽世去れ節」は当初、弘前市の津軽書房から出版された。創業者(故人)から経営を引き継いだ伊藤裕美子さん(66)は「がんの手術を受けるなどしていたので心配していた。2年前の青森市での講演で会ったのが最後」と話す。
 1975年の入社直後に長部さんの担当となった。「仕事には厳しかったが、酒を飲むと楽しく優しかった」と振り返る。
 7年ほど前、「一緒に仕事をしたい」と打診して「神と仏の再発見」「棟方志功の原風景」の2冊を出版した。伊藤さんは「長部作品は津軽の財産。ずっと伝えていかなければならない」と語った。
 三沢市寺山修司記念館では2005年、長部さんと寺山の元夫人、九條今日子さん(故人)のトークショーが開かれた。12年から同館館長を務める佐々木英明さん(70)は「寺山さんは長部さんを気に掛けていたようだ。『何か書いても手を抜いていたら分かる。手を抜かずにやれば誰かが見てくれている』と励ましていた」と言う。
 打ち上げにも参加した佐々木さんは「会えば互いに津軽弁で気軽に話せた」と人柄をしのんだ。
 長部さんは中学時代に太宰治に影響を受けた。太宰治記念館「斜陽館」(五所川原市)の伊藤一弘館長は「作品で津軽地方の文化や風土を広く紹介してもらった。地元のためにもっと活躍してほしかった。残念だ」と惜しんだ。
 青森県近代文学館(青森市)の伊藤文一室長は「今夏に特別展『平成の青森文学』で紹介したばかり」と驚く。母校の弘前高の鈴木雅博校長は「偉大な先輩を失い心に穴が開いたような気がする。長部先生に続くような人材を輩出できるよう努力していく」との談話を出した。


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2018年10月25日木曜日


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