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サケ飼育短縮で回帰率UP 東北区水研宮古庁舎が調査

 人工ふ化したサケの海中飼育期間を短縮すると、秋サケの河川回帰率が高まることが、東北区水産研究所の宮古庁舎(宮古市)の調査で分かった。ふ化放流事業のコスト削減が期待できるという。
 東日本大震災後のサケ資源回復を目指して2013年と14年の4〜5月、岩手県水産技術センター(釜石市)などと共同で比較放流試験を実施した。
 三陸やまだ漁協(岩手県山田町)の織笠川さけ人工ふ化場で採卵した稚魚に標識を付け、山田湾の海面いけすで飼育した。期間を1カ月と1週間に分け、2カ年でそれぞれ計84万匹と計90万匹を放流し、4歳魚の回帰率を調べた。
 海中飼育が1カ月のサケの回帰率は13年0.033%、14年0.026%だったのに対し、1週間の稚魚は13年0.064%、14年0.051%と2倍近く高かった。
 研究所は、海中飼育が長くなるといけすの中で死ぬ個体が増えると指摘。母川の記憶が低下する可能性も考えられるという。
 従来の海中飼育は1カ月が一般的。河川放流に比べ稚魚が海水に慣れる上、個体が大きく成長して放流後の生存率が向上すると考えられてきた。岩手県は海中飼育の割合が1割と他道県より高い。
 研究所宮古庁舎の八谷三和研究員は「海中飼育が1週間で済めば、給餌やいけす管理のコストを削減できる。研究途中だが、将来的に効率的なサケの資源回復策につなげたい」と話す。


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2018年10月25日木曜日


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