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<女川原発1号機廃炉>再稼働審査長期化響く 廃棄物処分は難航必至

廃炉が決まった女川原発1号機

 東北電力が25日、女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)の廃炉を表明した。背景には、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉の原子力規制委員会による再稼働審査が、長期化している実情がある。女川1号機の運転開始から35年目となり、東北電も廃炉の時代を迎えた。放射性廃棄物の処分など課題は多く、作業の先行きは見通せていない。

 「女川2号機の審査がこれほど長期化するとは想定していなかった」
 東北電幹部は本音を漏らす。2号機の再稼働審査を規制委に申請した2013年12月当時、審査は1年程度で終わり、続いて3号機を申請。「できれば1号機も」と考えていたからだ。
 福島第1原発と同じ沸騰水型炉の規制委審査は長期化し、目算が狂う。
 東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)は新規制基準に合格するまで4年3カ月かかり、東日本大震災で被災した女川2号機の審査は5年近くも続いている。その間、女川1号機は国が定める運転期間の「原則40年」まで残り5年に迫ってしまい、運転期間延長のための巨額な安全対策費の投入はできなくなった。
 廃炉決定には、審査が終盤を迎える女川2号機の再稼働に地元理解を得たいとの思惑もあるとみられる。
 原田宏哉社長はこの日の定例記者会見で「廃炉は2号機のためというものではなく、安全対策工事の困難さなどを総合的に勘案した」と打ち消した。
 廃炉作業は4段階に工程を区分し、30〜40年かけて原発を撤去する。女川原発は2号機の安全対策工事などで1日当たり2500人が作業に当たる。東北電幹部は「廃炉作業は2、3号機の安全対策工事に影響しない形で進める」と話す。
 解体で生じる制御棒や原子炉内の構造物などの低レベル放射性廃棄物は、電力各社が埋設処分地を見つけなければならないものの、まだ決まっていない。東北電は「事業者共通の課題。一緒に検討していく」としているが、地元に長期間留め置かれる懸念がある。
 作業が進めば、1号機の使用済み核燃料をどう処分するかという問題にも直面する。国は最終処分場の候補地すら絞り込めていない。
 原田社長は「(高レベル放射性廃棄物は)国が理解活動をしている段階。低レベルを含めて当社も国と連携し、当事者意識を持って対応していく」と述べた。


2018年10月26日金曜日


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